今週末の7月10日から13日までグッドウッドにて開催される2025年の“フェスティバル・オブ・スピード(FoS)”に向け、新型車両『Pioneer 25(パイオニア25)』の一般初公開、初参戦が決定 今週末の7月10日から13日までイギリスのグッドウッドにて開催される2025年の“フェスティバル・オブ・スピード(FoS)”に向け、今季2025年より世界初の水素燃料モータースポーツ競技として生まれ変わるワンメイク・オフロード選手権、FIAエクストリームHワールドカップより、新型車両『Pioneer 25(パイオニア25)』の一般初公開、初参戦が決定。シリーズの前身たるエクストリームE向けフル電動レースカー『Odyssey 21(オデッセイ21)』が初披露された2019年以来、重要な地への回帰を果たす。
シリーズで新たに採用される水素燃料電池スタック搭載の『パイオニア25』は、イベント期間中毎日、グッドウッド・エステートの1.16マイル(約1.8km)を走破する名物ヒルクライムに挑戦し、車両自体はFOSフューチャー・ラボでも展示される予定となっている。
モータースポーツ、テクノロジー、そしてイノベーションの祭典として世界的に知られるFoSは、自動車業界でもっとも権威のあるイベントのひとつであり、伝統と未来志向のアイデアを融合させたこのイベントでは、伝説のクルマと革新的な新技術が実際に動いている様子が披露され、象徴的なヒルクライムチャレンジが目玉となっている。
エクストリームHシリーズの創設者兼CEO(最高経営責任者)であるアレハンドロ・アガグは、改めて「世界的なモータースポーツ界でもっとも象徴的で権威あるイベント、伝説的なグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにふたたび参加できることを大変誇りに思っている」と挨拶した。
「2019年にエクストリームEの電動オフロード選手権を初めてプレビューしたのもこの地だった。そして今回、パイオニア25をデビューさせ、スリリングな水素レースで新時代の幕開けを迎える。待望の復活を遂げ、ついにエクストリームHの未来と持続可能なレースの未来を、皆様にお見せできることを楽しみにしている」
大会の4日間を通して、この新型モデルを限界まで追い込むのは、選手権を牽引する3名の女性トップドライバー、ケイティ・マニングス、クリスティーナ・グティエレス、クララ・アンダーソンで、とくにアンドレッティ・アルタクウィラット・チームからエクストリームEの4シーズンすべてに参戦したマニングスが、フェスティバル初日にヒルクライムでの初走行を担当する。
「エクストリームH用の新型パイオニア25で、象徴的なグッドウッド・ヒルクライムに参戦する最初のドライバーとして発表されたことを光栄に思う。エクストリームEの黎明期からこの道のりに携わってきたから、今回、このような伝説的な舞台で次世代の水素燃料レーシング車両を披露できることは本当に特別なことね」と語ったマニングス。
「グッドウッドはドライバーとファンの双方にとって、モータースポーツカレンダーにおける画期的なイベントであり、この最先端技術を初公開するには最適な舞台でもある。パイオニア25は、パフォーマンスとイノベーションの両面で大きな前進であり、持続可能なレースの未来を垣間見てもらえることを心待ちにしているわ」
イノベーションと技術コラボレーションの促進、そしてオーディエンスへの啓蒙を目的としたFOSフューチャーラボでもパイオニア25が展示され、この科学技術における最新かつもっとも影響力のあるイノベーションにスポットライトを当てるため設計された専用スペースでは、世界唯一の水素燃料レース車両の一つを動かすコンポーネントを間近で観察することができるという。
「パイオニア25が、象徴的なグッドウッド・ヒルで世界最速かつ最先端のレーシングマシンたちと競い合うのを楽しみにしている」と述べたのは、シリーズのテクニカルディレクターであるマーク・グレイン。
「しかし、同様にエキサイティングなのは、FOSフューチャーラボで文字どおり車両のカウルを開けて公開できる機会だ。ここでは、世界唯一のワンメイク水素燃料レース車両として、この車両を構成するコンポーネントとシステムを分解してご覧いただくことが可能だ。この技術を間近で探求し、エクストリームHの独自性を理解する貴重な機会になるはずだ」
シリーズは、水素燃料によるFIA格式カップシリーズの創設初年度に先立ち、世界各国のブロードキャスティング・ネットワークとの契約締結を始め、この7月にはシーメンスとの協業で同社のエクスペリエンス・センターにて、業界関係各社を招いた第2回のシンポジウムとなる水素ハブ『THE IMPULSE』を開催するなど、開幕を前に精力的な活動が続いている。
[オートスポーツweb 2025年07月07日]