
今回のお悩み「毎日暑すぎる……夏の電気代を節約する方法は?」
まだまだ夏が続くというのにすでに暑すぎて、在宅勤務の日は一日中エアコンをつけっぱなし。電気代が心配です……。でも熱中症は避けたいので、無理なく節約する方法を知りたいです。(30代前半/マーケティング)
連日の真夏日と熱帯夜で、エアコンの使用による電気代が心配ですが、エアコンを使わないという極端な選択は、熱中症のリスクが高まるだけではなく、夏バテなど体調不良の原因にもなるので、注意が必要です。無理せず、節電を意識したエアコンの上手な使い方でこの夏を乗り越えましょう。
■在宅時間が長いなら点けっぱなしで大丈夫! エアコンを使う時のコツ
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照明などはこまめに消すのが基本ですが、エアコンはこまめに点けたり消したりすることは、電気代が増える原因です。その理由は、エアコンは立ち上げ時に大きく消費電力がかかり、室温が設定温度に近づくと徐々に消費電力が少なくなるためです。
30分程度の外出までなら、エアコンを点けっぱなしでも問題ありません。外出時のちょっとしたコツとして、エアコンを切るのではなく設定温度を上げて、カーテンを閉めて、照明を落としてから外出すると、節電しながら室温をキープすることができます。もちろん長時間家を空けるときは、エアコンは止めましょう。
◇室温28℃を目安に温度設定し、ECOモードや自動運転にする
冷房の設定温度は室温が28℃になるように、調整しましょう。風速は「自動」にして、風向きは「水平」に設定することで、効率よく部屋を冷やしながら、節電することができます。
また、エアコンにECOモードや省エネモードなどエアコン本体が考えて運転してくれる自動運転モードがあれば、利用するのも手です。使っているエアコンによってどのような機能が搭載されていて、どのように運転をするのか異なる場合がありますので、まずは取扱説明書で確認してから利用するようにしましょう。
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一般的な省エネモードは、人感センサーなどで人がいないときには運転をセーブして消費電力を抑えますが、室温と外気温をAIで判断して「冷房」「除湿」「暖房」など判断して運転を切り替える機能もあります。こちらは主に快適性を重視したモードなので、エアコン本体が判断して、選択されるモードによってはかえって電力使用量が増える場合もあるので、注意が必要です。
◇除湿で体感温度を下げるのも手
湿度が高くなると、体感温度が上昇します。除湿をする際、エアコンの除湿(ドライ)機能を使った方がよいのか、それとも冷房運転のままでよいのか迷ったら、「冷房運転」でOK。その理由は、冷房運転をすると同時に除湿もされるからです。
エアコンの除湿方式には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があり、弱冷房除湿は軽い冷房運転をしながら、除湿をする仕組みで、電気代は少なく済みますが、冷えた空気が排出されます。再熱除湿は、冷やして除湿した後、冷えた空気を温め直して排出するため、その分電力がかかるというものです。お使いのエアコンがどの除湿方式なのか知りたいときは、取扱説明書で確認しましょう。
◇部屋の熱気は逃がしてからエアコンのスイッチを入れる
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帰宅したら部屋に熱気が籠っていると、すぐにエアコンのスイッチを入れたくなりますが、早く部屋を冷やしたいなら、部屋の熱気を逃がしてからエアコンのスイッチを入れましょう。
部屋の窓を開けたら、換気扇を点けて、サーキュレーターなどで強制的に風を起こして換気をしましょう。ひと手間かかりますが、換気をして部屋にこもった熱を逃がすことで、節電しながらも部屋を早く冷やす効果があります。
◇扇風機やサーキュレーターを併用して効率アップ
設定温度を高めにしていたり、ECO設定にしていると、涼しさを感じにくくなることがあります。そんなときは、扇風機やサーキュレーターを併用して、床に溜まった冷気を循環させましょう。
また、扇風機はその置き方によっても効果が変わりますので、状況に応じて上手に使い分けると、快適に使うことができます。室温が28℃設定で少し暑いと感じる時は、扇風機の風が直接自分に当てるように設置しましょう。身体に扇風機の風が当たることで、涼しさを感じることができます。
また、遠くまでエアコンの冷気を届けたいときは、エアコンから来る風を背にして、風を送りたい方向に扇風機やサーキュレーターを向けると、冷たい風をさらに遠くへ送ることができます。睡眠時など直接扇風機の風を身体に当てたくないときは、壁側に扇風機を向けて風を壁にワンバウンドさせて、跳ね返ったやわらかい風をあてましょう。
扇風機は、DCモーターが採用されているものを選ぶと、消費電力が少なくなります。また、扇風機から出る風の音も静かでおすすめです。
◇定期的にフィルターの掃除をしよう
エアコン内部のフィルターが目詰まりすると、吸い込む空気の量が少なくなり、同時に部屋を冷やす力が小さくなることで、部屋を冷やすために多くの電力が必要になり、消費電力が増える原因になります。エアコンを使用する期間は、2週間に1回を目安にフィルターの掃除をしましょう。
省エネポータルサイトによると、フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)とフィルターを掃除した場合の比較では、年間約990円の節約になります。
フィルターだけではなく、その奥にある冷却フィン(熱交換器)の汚れも見落としがちです。冷却フィンの汚れを確認して、汚れが目立つようであれば、専門の業者を利用してエアコンの内部洗浄をしましょう。
◇室外機回りにも要注意!
室外機はエアコンの運転中、部屋の中の熱を部屋の外へ放熱しているため、室外機の吹き出し口やその周囲にものを置いたり、カバーで覆ってしまうと放熱した熱風を再び吸い込んでしまい、冷却効率が低下します。カバーは外して、植木鉢などものを置かないようにしましょう。
そしてまた、室外機に直射日光が当たっていたり、地面からの照り返しにさらされてしまうと、その付近が高温になるため、冷却効率が低下する原因にもなります。日陰のある場所に移動させるか、直射日光があたらないように日よけを作るなどの工夫をして、放熱を妨げないようにしましょう。
■窓対策をすることで室温を上がりにくくするのも大切
窓対策は冷房効率を上げるうえではとても大切なポイントです。その理由は、外からの熱気は窓ガラスを通して入り、冷房で冷やした空気は窓ガラスを通して逃げるためです。
窓対策をせずに、暑いからといって冷房の設定温度を下げてしまうと電気代がかさむ原因になります。しっかりと対策をして、冷房時の設定温度を1℃高くした場合、約10%の節電効果が得られますよ。
窓対策としては、遮熱効果のあるレースのカーテンに付け替えたり、よしずやすだれを取り付けるのが簡単です。他にも、遮熱フィルム・遮熱シートを窓ガラスに貼ってもよいでしょう。コストはかかりますが、遮熱効果のある窓ガラスに交換したり、日よけになるサンシェードを付けると部屋が冷えやすくなります。
■補助金を使うことで省エネ化のリフォーム費用を抑えることができる
持ち家の場合は、窓断熱のリフォームをすることで、一戸あたり5万円から最大200万円の補助金が交付される「先進的窓リノベ2025事業」を利用するなど、省エネ化をすることで補助金を受けられることがありますので、事前に条件等、調べてから利用すると出費を抑えることができます。
■冷却グッズを活用して寝苦しさを軽減
首元に取り付けて冷やすネッククーラーや、保冷剤を薄いタオルに包んでわきの下などリンパ節に置いて身体を冷やしたり、接触冷感の衣類なら着るだけでひんやりとした涼しさを感じることができます。
また、暑さで寝苦しいときは、冷凍して繰り返し使える「アイスマクラ」や「接触冷感の寝具」、「涼感ジェルマット」を使うと寝苦しさを軽減してくれますよ。
■電力会社を見直すのも一案
毎月の電気代の請求が高額な場合は、節電はもちろんですが、契約をしている電力会社の見直しをするのも一案です。
例えば、ガスと契約をセットにすると、セット割りで割引になる。大手電力会社より、〇%安くなるといったものや、ポイント付与などそれぞれの電力会社によってさまざまです。
見直しの際は、比較サイトなどで契約中の電力会社、契約プラン、使用電力量などがわかる明細書などを用意してから候補となる電力会社とプランを探します。その際、その料金がいつまで適用されるのか、2年縛りなど契約上の縛りが無いかなども確認しましょう。そして実際に契約する際は、比較サイトの内容が古い場合もあるので、見直す電力会社の公式HPで再度契約内容等をチェックすることをおすすめします。
令和のマネーハック128
エアコンの使い方はもちろん、窓対策でそもそも室温が上がりにくくするのも効果的! 電力会社の見直しも一案です。
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(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)
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