明日12日にかけて広く警報級大雨 再び線状降水帯発生か 新たな災害発生に厳重警戒

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2025年08月11日 18:06  日本気象協会

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日本気象協会

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昨日10日から今日11日にかけて九州では線状降水帯の発生が相次ぎ、熊本県では今日11日未明から昼過ぎにかけて、大雨特別警報が発表。大雨警報に切り替えられましたが、これまでの大雨で地盤は緩んでいるため、雨がやんでも災害に厳重警戒。明日12日にかけて九州北部で再び線状降水帯が発生する可能性。新たな災害発生の恐れが高まるため、厳重に警戒し万全な備えを。

九州をはじめ各地で記録的大雨 2日で600ミリ近い大雨も

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昨日10日から今日11日にかけて、九州をはじめ各地で大雨となっています。
東シナ海から日本海沿岸、本州の東の海上に停滞する前線の影響で、特に非常に暖かく湿った空気の収束が続いた九州で、活発な雨雲がかかり続け、災害をもたらすほどの大雨となっています。

九州では線状降水帯の発生が相次ぎ、熊本県では今日11日未明から昼過ぎにかけて、大雨特別警報が発表されました。熊本県上天草市の松島では午前8時までの1時間に114.5ミリの猛烈な雨を観測。午後5時20分までの48時間降水量は、福岡県宗像市で598.0ミリとなり、8月1か月分に降る平年の降水量(177.1ミリ)の3.3倍もの雨がたった2日で降ったことになります。

今日午後3時45分に、熊本県に発表されていた大雨特別警報は大雨警報に切り替えられましたが、これまでの大雨で地盤は緩んでいるため、雨がやんでも土砂災害に厳重な警戒が必要です。

前線に伴う雨雲は次第にやや北上し、この時間は九州から北陸の日本海側で雨が激しく降っている所があります。富山県立山町では午後4時15分までの1時間に56.0ミリの滝のような雨を観測しました。

熊本県 雨弱まっても安全確保を 明日12日は九州〜東北で広く警報級大雨

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記録的な大雨が続く中、九州北部で再び線状降水帯が発生する可能性があります。
今夜遅くから明日12日朝にかけて、長崎県では線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあります。また、新たな場所で災害発生の恐れが高まるため、厳重に警戒してください。

また、今夜から明日12日にかけて、低気圧が近づく北陸付近にも活発な雨雲がかかり続ける見込みで、雨の量がさらに増えるでしょう。土砂災害や浸水害、川の増水や氾濫などの危険性が高まります。スムーズに安全な行動がとれるよう、自治体の情報をこまめに確認してください。今夜は停電に備えて、いつでも避難ができる準備をしておくと安心です。

また、明日12日は九州から東海の太平洋側は昼頃まで雨の所が多く、明け方までは激しく降る所もあるでしょう。関東は雨が降ったりやんだりで、時折雨脚が強まりそうです。東北は午前を中心に雨が降るでしょう。これまでにまとまった雨の降った所では少しの雨でも災害につながる恐れがありますので、十分ご注意ください。

24時間降水量

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西日本から北日本では、雷を伴い非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。
11日18時から12日18時までに予想される24時間降水量(多い所)

九州北部地方・東海地方 200ミリ
北陸地方・関東甲信地方 150ミリ
四国地方 120ミリ
中国地方・近畿地方 100ミリ
東北地方 80ミリ

その後、12日18時から13日18時までに予想される24時間降水量(多い所)
北陸地方 100ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、以下のとおりです。
九州北部地方 長崎県。 11日夜遅くから12日朝にかけて。

歩いて避難する場合 注意点は

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「うちは大丈夫」「まだ大丈夫」と思わず、ぜひ早めの避難を心掛けて欲しいものですが、大雨や暴風の中、近くの避難所へ歩いて向かう時に、気を付けなければならないことが2つあります。

1つめは、足元に注意することです。冠水すると、水が濁っているため、マンホールの蓋が外れていても、見えにくくなります。また、側溝や川と、道路(歩道)の境目も、わかりにくくなります。転落したり、流されたりする恐れがありますので、無理をして水の中に入らないでください。やむを得ず水の中を歩く場合は、棒などで、足元を確認しながら進んでください。

2つめは、飛んでくるものに注意することです。暴風によって、木の枝や看板などが吹き飛ばされてきたり、壊れた傘などが風に舞ってぶつかってきたりすることがあります。ヘルメットなど、頭を守るものがあると、安心です。

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