写真はイメージです 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2023年10月17日 記事は取材時の状況)
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自分にとっては当たり前のことが誰かにとっては非常識ということは、しばしばあります。
とくに贅沢をしない丁寧な暮らしは、一歩間違うと“ケチな人”と思われてしまうこともあるようです。
◆物を捨てるのが嫌い。缶や包装紙は大切に保存
鈴木由香里さん(仮名・38歳)は、4歳の女児を育児中の母親です。SDGsをはじめとするエコやリサイクルに興味があります。
「もともと、母親が普段から物を捨てるのを嫌がる性格で、テーブルクロスやカーテンなども捨てる前に解体して、きんちゃく袋にしたり再利用していました。
学校に持って行く雑巾も市販のものを買った記憶がなく、必ず使い古したタオルで作っていました。小学生の頃は、母が作ったワンピースやスカートを着ていたこともあって、手作りに抵抗がなかったんです」
そんな由香里さんは、普段から包装紙やクッキーの缶、市販のゼリーなどの容器を取っておく習慣があるそうです。
「最初は、ディズニーランドのお土産のチョコクランチの缶が、デザインも可愛く、スティックシュガーを入れたりふりかけを入れたりするのに便利だって思ったんです。
そこから、どんどん可愛らしいお菓子の缶や、デパートなどで買ったときに包んである包装紙などを取っておくようになっていったんです」
◆ママ友に嫌な顔をされる
由香里さんは、お菓子を手作りするのが趣味。高級スイーツのレシピを参考にして、同じような味を再現するそうです。
「見た目は市販品には劣るのですが、材料にはこだわっているので味には自信があるんです。この前、同じ幼稚園に通っているママ友が家に遊びに来ることになり、家族が食べて好評だったプリンを作ろうって思いつきました」
由香里さんは、プリンやゼリーなどを自作するときには、一度食べたゼリーの空き容器を洗って再利用しています。
「人に出すときには、そのまま出すことができるし、形も可愛らしいものが多いので気に入っていました。
でもこの前、空き容器を再利用して作った自作プリンをもてなしに出したら、『ちょっと……』とママ友から嫌な顔をされたんです。ママ友は、結局プリンを一口も食べず帰っていきました。
そのママ友は後日『普通は安くても良いから、市販のお菓子を出すのがマナーじゃないかな』とメッセージを送ってきました。『家に遊びに行った時にもホットケーキを作ってくれたけれど、手を洗わないまま子どもが混ぜていたのが気になっていた』とも……。
私も『そういうふうに感じるんだ』と思って、それ以来おもてなしに手作りのお菓子を出すのはやめました」
◆ブランド物の紙袋の中身は手作りのプレゼント
しかし由香里さんがママ友から指摘されたのは、そのときだけではありませんでした。
「仲が良いママ友の誕生日に手作りのシュシュを贈ったら『ちょっとがっかりした』と言われました。どうやら、ブランド物の紙袋に入れて渡したのが良くなかったみたいなんですよね。手作りといっても材料費はかかっているし、なによりも世界に一つだけのオリジナルじゃないですか。でもケチって思われたみたいですね」
由香里さんは、デパートなどで買い物をしたときにもらったきれいな包み紙もリメイクしていました。
「包み紙を使って、クリーニング店などの会員券を入れるカード入れを作ったり、親戚の子どもにおこづかいを渡す時のポチ袋を作ったりしていました。自分ではよくできたと思っていたのですが、その時も親戚からは『手作りなんだ……』と微妙な表情で言われました」
◆手作りの物をあげる時は気を遣うように
由香里さんは、節約好きというよりも「丁寧で無駄がない生活」を心がけているつもりだと言います。
「周りからは貧乏くさいって思われているみたいなのですが、私は身の回りにあるものを大事にしたいって考えているんです。でも、家族以外の人に、手作りの物を渡すときは気をつけようって決めました」
確かに、手作りのアイテムには、既製品にはない温もりがありますし、ゴミとして捨てる前に再利用の方法を考えるという心がけも素晴らしいものです。
ただ、判断が難しいのが「それを人に贈ってよいか」という問題。がっかりの基準は人それぞれなので、相手を選ぶ必要はあるのかもしれませんね。
<文/池守りぜね>