大阪大の坂口志文特任教授=6日、大阪府吹田市(AFP時事) ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大阪大の坂口志文特任教授(74)らが発見した「制御性T細胞」は近年、がんや1型糖尿病の治療、臓器移植など幅広い応用が期待されている。患者団体からは「研究が世界に認められた」「多くの患者が救われる」と喜びの声が上がった。
全国がん患者団体連合会(横浜市)の天野慎介理事長(52)は「坂口先生の研究が進めば、従来の治療法では難しかったがん患者にも効果が期待できる」とした上で、「日本だけでなく世界中の患者が救われることになる。喜ばしい」と強調した。
1型糖尿病患者らを支援する認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」(佐賀市)では2019年、研究者らをたたえる賞を坂口氏に贈った。
岩永幸三理事長(62)は「1型糖尿病に縁のある研究が世界に認められた。とてもうれしい」と祝福。その上で、娘が3歳の時に発症し、患者の家族として病気と向き合ってきた経験から「今後は治療法の研究が進んでほしい。子どもに治るのかと聞かれたら、親として『治る』と言える状況になれば」と期待を寄せた。