石破首相、退任前に執念=保守派に配慮「謝罪」なし―戦後80年所感

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2025年10月11日 07:31  時事通信社

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戦後80年の所感を発表する石破茂首相=10日午後、首相官邸(代表撮影)
 退任を間近に控えた石破茂首相が10日、戦後80年に関する所感を発表し、執念を果たした。日本が無謀な戦争に突き進んだ背景に内容を絞るなど、中韓両国の外交利用を懸念する保守派に一定の配慮を示した。ただ、自民党内の反対論を押し切り、党総裁と首相が異なる不安定な政権末期に発出したことで、党内にしこりを残した。

 「なぜあの戦争を避けることができなかったのか。国民と共に考えたい」。首相はA4判7ページにわたる所感をこう切り出し、戦後50、60、70年の各首相談話であまり触れられていない、日本が戦争に至った経緯に焦点を当てた。

 文民統制を定めなかった大日本帝国憲法や、軍部による統帥権の拡大解釈、議会やメディアが軍のブレーキ役にならなかったことなどを「問題」と列記。1940年の帝国議会で日中戦争を批判した斎藤隆夫衆院議員(当時)の「反軍演説」に触れ、「精神的・情緒的な判断が重視され、国の進むべき針路を誤った歴史を繰り返してはならない」と思いの丈をつづった。

 故安倍晋三元首相は2015年の戦後70年談話で、将来世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と記し、中韓におわびを繰り返す「謝罪外交」に一定の区切りを付けようとした。党内の保守派は、石破首相による安倍談話の「上書き」を警戒。高市早苗総裁も総裁選中、戦後80年所感は「必要ない」と一蹴していた。

 こうした声を受け、首相は「反省」や「おわび」といった対外的な表現を避け、歴代内閣の歴史認識を引き継ぐと明記。閣議決定を見送り、「個人的見解」の側面を強調した。

 高市氏は10日、首相から所感について説明を受けた後、記者団に「閣議決定していないものを発表する旨だ(と聞いた)。内容は分からない」と素っ気なく語った。 

このニュースに関するつぶやき

  • 謝罪は不要だからやらないだけ。そんな事すればすぐに高市首相談話として終結宣言が出され、この見解がかき消されるだけだと知ってるからな。石破と言う無能が寝言をほざいただけ。
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