
12月9日、中国の呉江浩駐日大使が自身のX(旧ツイッター)にて、自民党の麻生太郎副総裁に関する内容を投稿した。ネット上でさまざまな反応が寄せられており、事態は“ドロ沼化”していきそうだ。
「大変喜ばしい」麻生氏の主張
そもそもの発端は、11月7日の衆院予算委員会での高市早苗首相の答弁。
中国による台湾の海上封鎖が発生した場合、高市首相は「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうる」と発言した。
「台湾有事が起こった場合、存続危機事態にあたる可能性について言及した現役首相は、過去にいませんでした。それだけデリケートな内容だということです。
現に、中国政府は高市首相の発言撤回を求めているだけでなく、中国国民に日本への渡航自粛を呼びかけ、日本の海産物を輸入停止にしています。
|
|
|
|
また、日本のアーティストが中国で行う予定だった公演やイベントも軒並み中止になっており、日中関係が急速に冷え込んでいる状況です」(全国紙社会部記者)
12月3日には麻生副総裁が都内にて会合を開き、「中国からいろいろ言われているが、言われるぐらいでちょうどいい」「今まで通りのことを具体的に言っただけで何が悪いのかという態度で臨んでおり、大変喜ばしい」「これによって大問題に発展するわけでもない」などと言及した。
レーダー照射問題でさらに混迷
「高市首相の発言はまったく問題ではない、という姿勢を示したのでしょう。ネット上でも“日本の安全保障を守るうえで当然の姿勢”“堂々と構えていればいいと思う。麻生さんの発言は心強い”など、麻生副総裁を支持する声が多く見られます。一方で呉氏は9日、自身のXに中国で行われた会見でのやりとりを投稿。麻生副総裁が高市首相の発言を支持したことについて記者が問いかけ、外交部報道官が“このような中国を挑発する行為は、注目を集め、民意を騙し取るための卑劣で非常に危険な手段”などと両氏を痛烈に批判した旨を投稿していました」(政治ジャーナリスト)
日本と中国が平行線をたどる中、12月8日には元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が情報番組『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(TBS系)に出演し、一連の問題について言及した。
「番組では、12月6日に中国海軍の空母から発艦した戦闘機が、日本の航空自衛隊の戦闘機に二度にわたってレーダー照射した問題を取り上げました。その流れで、橋下氏は“レーダー照射って現場の自衛官にとって大変な問題ですよ”と切り出し、“安全なところで政治家がウワーッと威勢のいいことを言う”“中国に言ってやった、強気で行けとか、口だけ番長にもほどがある”などと、麻生氏の発言を批判しました」(前出・社会部記者)
|
|
|
|
この発言については賛否が分かれているが「橋下さんの言うとおり、自衛官の方に相当なストレスがかかっているのは確かだと思う。政治家の方々には、この点も理解しながら外交問題に取り組んでいただきたい」「自衛隊の指揮官が困っているのでは。これ以上エスカレートしたら、現場に負担がかかるんですよ?」など、橋下氏に同調するような声も複数見られる。
麻生副総裁や橋下氏の“参戦”によって、世論はますます混乱。果たして、無事に着地する未来はあるのだろうか――。
