長崎地裁=長崎市 長崎市で2017年、私立海星高2年の男子生徒=当時(16)=が自殺したのは、学校がいじめ対策を怠ったのが原因として、遺族が約3200万円の損害賠償などを、同校を運営する学校法人に求めた訴訟の判決が8日、長崎地裁であった。松永晋介裁判長(村上典子裁判長代読)は、いじめの一部は未然に防止できたとして、330万円の支払いを命じた。自殺に対する賠償請求は退けた。
松永裁判長は、男子生徒が中高一貫の海星中3年時、おなかが鳴る音を同級生にからかわれるなどされた行為をいじめと認定。早期に発見する体制を構築していれば教員らは容易に把握できたとして、学校側に安全配慮義務違反があったと判断した。
一方、ほかのさまざまな要因が相互に作用して自殺に至ったとした上で、学校側が予見することは「極めて困難だった」と指摘。自殺による損害への賠償責任は認めなかった。
判決によると、男子生徒は13年に海星中に入学。高校2年の17年4月、長崎市内の公園で自殺した。
判決後、記者会見した男子生徒の母親(54)は「(息子に)いい報告もあるけれども、納得できない報告もしないといけない。今後は家族、弁護士とよく話して考えたい」と話した。学校側は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。