『渡鬼』出演の元天才子役・宇野なおみが橋田壽賀子さんから送られた“金言”と現在の“天職”

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2026年10月04日 17:00  週刊女性PRIME

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宇野なおみ 撮影/山田智絵

数十年前。今よりもずっと、みんながテレビに夢中になっていた時代に、画面の中でけなげな姿を見せてくれていた彼ら。親戚の子どものように感じていた人も多かったのでは? 今どうしているのか……。本人たちに直撃しました!!

宇野なおみ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)

 国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で、宇野なおみが演じた野々下加津は、幼くしてドラマのタイトルそのものの運命を味わうこととなった薄幸な少女。両親の離婚で行き場を失い、同作品の話の軸の一つである中華料理店「幸楽」に居候することに。

 大人たちにいびられるも、持ち前の反骨精神で文学的才能を開花させたり、現役で東大に合格し、大学生にして売れっ子クリエイターにもなるという、感受性も才能も豊かな役どころだ。

 実際の宇野も、現役で早稲田大学に入学。カナダ留学を経て、ライター、エッセイスト、通訳・翻訳者と、クリエイティブな才能を発揮している。

「加津ちゃんは私から切り離すことはできないけれど、橋田(壽賀子)先生の創作だから、私が乗っ取ってはいけないと思うんです。でも、視聴者の方々から『お母さんがいないのに頑張ってるわね』と声をかけられたり、東大卒だと勘違いしてくれたりと(笑)、皆さんの中に今も彼女が生きていることはうれしいです」(宇野、以下同)

 両親に連れて行ってもらった芝居に感動し、姉と共に児童劇団に入団。演じることはとても楽しく、居場所として水が合った。

 橋田作品といえば、役者泣かせの長ゼリフが有名だ。宇野の熱演が輝くにつれ、毎週届く台本は、次第に「加津」の出番とセリフが増えていった。小さな身体と、鋭くも愛くるしい瞳で大人たちをやりこめる長いセリフをこなす彼女は、やがて天才子役の名を欲しいままにした。

「大正生まれの女性である橋田先生が脚本家として成功するには、今では想像もつかないほどのご苦労があったはず。逆境にめげず、正しいと信じる道に立ち向かっていく加津ちゃんに、先生はご自身の人生を重ねたのでしょう」

天職との出会い

 くしくも取材の前日は橋田さんの無二の親友かつ戦友でもあった、同番組のプロデューサー・石井ふく子氏の「百寿を祝う会」に出席したという。

「石井先生は、いらした方々全員とご挨拶をされていましたね。以前と比べても、エネルギーがまったく衰えてないんです」

 橋田・石井作品では、子役でも大人と同等にプロの役者として扱われた。

「子どもだからうまくできないこともあったのですが、スタッフさんや共演者の方々にきちんとたしなめられたり。また、演技に関しては、一人の役者として褒めていただいたり。本当に貴重な出会いの日々だったと思います」

「あなた、いつか書くわよ」。橋田さんは、宇野にこう言ったという。当時はピンとこなかったが、エッセイや取材などをこなす今では、書くことが天職だと思っている。特に歌舞伎についてのリポートや評論に力を入れている。

「石井先生が私を舞台『おしん』に抜擢してくださったことが、『渡鬼』につながりました。女性が自分らしく自立して生きることを、2人の先生が加津という役を通して、橋渡ししてくれました。

 子役時代にさまざまな素晴らしい人生の先輩たちから見聞きした経験をもとに、偉大な先生がたや俳優さんたちが遺してくれた伝統や文化を、若い人たちに伝えていきたいですね」

 野々下加津の半生は波乱に満ちていたが、宇野なおみは「渡る世間は鬼ばかりではない」ことを伝えていくために歩んでいる。

うの・なおみ 1989年生まれ、東京都出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、カナダ・バンクーバーに留学。1996年舞台『マダム・バタフライ』で子役デビュー。舞台『おしん』で演技を評価され、1999年7月よりドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の野々下加津役で脚光を浴びる。橋田作品の常連となり、演技を磨く。現在はライター、エッセイストのほか、TOEIC930点を誇る英語力を生かし、通訳、翻訳の仕事でも活躍中。

取材・文/合田みれい

週刊女性2026年10月13日号

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  • 子役は、どこまでいっても付いて回るモノ。ドリュー・バリモアなんて未だに「『E.T.』の子役」言われるとか
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