「歯生え薬」の治験開始へ=30年の実用化目指す―北野病院など

251

2024年08月23日 14:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

先天性無歯症で一部の歯がないマウスの口内(写真左)と、薬剤の投与により歯が回復したマウスの口内(北野病院提供)
 生まれつき歯が少ない先天性無歯症の患者を治療する「歯生え薬」の開発に向けた臨床試験(治験)を北野病院(大阪市)と京都大付属病院(京都市)などの研究グループが9月から開始する。まず、奥歯を失った健康な成人男性に投与して安全性を確認。その後、子どもの無歯症患者を対象に治療効果を検証し、2030年ごろの実用化を目指す。

 先天性無歯症の患者は人口の約1%を占め、6本以上欠けている遺伝性の患者は1000人に1人いるとされる。根本的な治療法はなく、子どもの場合、成長に合わせて入れ歯を作り直し続ける必要があるという。

 研究グループは、歯が生えるのを抑制するたんぱく質「USAG―1」を発見。その機能を妨げる薬剤を開発して、先天性無歯症のマウスや犬に投与したところ、歯が生えることを確認している。

 治験は9月〜来年8月、京大病院で30〜64歳の健康な男性30人に薬剤を点滴で投与し、安全性や適切な投与量を調べる。その後、2〜7歳で4本以上歯がない患者を対象にした試験を行う予定。

 将来的には、虫歯などで永久歯を失った人にも応用できる可能性があるという。

 北野病院歯科口腔(こうくう)外科の高橋克主任部長は「歯がないことで生活に支障が生じている患者の期待に応えたい」と話している。 

このニュースに関するつぶやき

  • 親知らずは生えてこないのに、あるだけで苦痛を与えてくるし、いざ抜く時は地獄の拷問タイムだ。親知らずを消滅させる薬も頼む!
    • イイネ!20
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(124件)

ニュース設定