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家庭料理の王道で国民食ともいわれるカレーライス。たびたび話題になるのが、市販のカレールウの銘柄を2つ以上組み合わせるレシピです。複数のルウをブレンドすることにより、自分好みの辛さやコクが出せると人気のようです。ネット上では2004年ごろからルウのブレンドに関する投稿が増え、最近もあるSNSユーザーが、バーモントカレー甘口とジャワカレー中辛を半分ずつ入れるのがおいしいと投稿し話題になっています。メーカーの見解は。
メーカー「カレーは自由にアレンジできることも魅力」
大手食品メーカー「ハウス食品」(本社、東京都千代田区)の担当者に尋ねると、「ルウを混ぜ合わせて使うお客さまがいらっしゃることは存じております。カレーは自由にアレンジできることも魅力」と懐の深さを見せます。
「『まずは1つのブランドで、商品特徴やコンセプトを楽しみたい・知りたい』という方には、研究を重ねてたどり着いた、箱の裏面の作り方を試してみていただくと、その味わいを存分に楽しめると思います。加えて、カレーは自由にアレンジできることも魅力の一つと捉えておりますので、お客さまの好みに合わせて、混ぜ合わせを楽しんでいただきたいです」(同社担当者)
バーモント辛口とジャワ甘口、辛さは同じレベル!
ハウス食品は1972(昭和47)年から、カレー製品のパッケージにカレーの辛さの強弱を示す「辛味順位表」の表示を始めました。業界初の試みで、今では各メーカーが追随しています。
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同社の辛みの順位は「1」(甘い)から「5」(辛い)まで。順位表からは、バーモントカレー中辛はこくまろカレー甘口と同レベルの辛さということが分かります。
「1」=バーモントカレー甘口
「2」=バーモントカレー中辛、こくまろカレー甘口
「3」=バーモントカレー辛口、ジャワカレー甘口、こくまろカレー中辛
「4」=ジャワカレー中辛、こくまろカレー辛口
「5」=ジャワカレー辛口
例外として、特別に辛い「ジャワカレースパイシーブレンド」は「6」に位置付けられています。
バーモントカレーは1963(昭和38)年発売。販売当初、リンゴとハチミツを使った味は斬新だったため、販売店からは「甘いカレーなんて売れるはすがない」と猛反発を受けました。しかし、CMや店頭での試食活動が功を奏し、数カ月で爆発的なヒット商品に。今では60年を超すロングセラー商品に成長し、累計824億皿以上を売り上げています(2022年12月時点)。ジャワカレーは1968(昭和43)年、「爽快な辛さと刺激のある味わいの大人向けのカレー」として発売。南国インドネシアのジャワ島をイメージしており、発売時のCM撮影もジャワで行われました。
大手質問サイトには500件以上の質問が
「カレーの固形ルウはどの商品の組み合わせがおいしいか知りたい」。大手質問サイトにこんな質問が投稿されたのは2004年のこと。その後も「市販のカレールウ最強の組み合わせを教えて」「何種類混ぜるとおいしくなるますか?」など、現在まで類似の質問は520件以上寄せられ、回答者からはさまざまな組み合わせが披露されています。
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2008年に日本版のサービスが始まったX(旧ツイッター)では、サービス開始翌年の2009年からカレールウのブレンドに関する投稿が見受けられるように。「バーモントとジャワの組み合わせが好き」「実家の母もブレンドしてました」「バーモントカレー辛口、こくまろカレー中辛、ジャワカレー辛口のブレンドが一番好き」「メーカー違い、2種ブレンドが好き」「3種混ぜてカレー粉もプラス」など。中には4つの銘柄をミックスする人もいました。
大手レシピサイトでも市販のカレールウをブレンドするレシピは多数公開され、2種類のルウに隠し味としてビーフシチューのルウを加えるといったアイデアも掲載されています。
(まいどなニュース・金井 かおる)
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