向井理「まさか3年間もこの格好をするとは思わなかったです(笑)」『パリピ孔明 THE MOVIE』【インタビュー】

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2025年04月24日 11:10  エンタメOVO

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向井理 (C)エンタメOVO

 なぜか現代の渋谷に転生した三国時代の天才軍師・諸葛孔明は、アマチュアシンガーの月見英子(上白石萌歌)の軍師となり、共に音楽の力で“天下泰平”を目指すことになる。人気コミックを原作とするテレビドラマを映画化した『パリピ孔明 THE MOVIE』が、4月25日から全国公開される。本作でドラマに続いて主人公の孔明を演じた向井理に話を聞いた。




−映画化が決まった時の思いは?

 おととしの10月ぐらいに、「あんなシーン撮ったな」などと思いながらドラマのオンエアを見ていました。その辺りで、楽曲のリリースイベントをやった際に映画化が決まったことを聞きました。ドラマの撮影中だったら「おー!」となったと思うのですが、もうドラマは一段落して、違う作品にも入っていたので、映画化が決まった喜びよりも一瞬ポカンとする感じでした(笑)。でもちょうどオンエアしたドラマを見ていて、カット割りやカメラもいろいろとこだわっているのを知っていたし、音楽も映画っぽいなと思ったんです。なので、家のテレビで見るのももちろん悪くはないのですが、音響などにこだわった映画館で見る方が、音楽ものとしてはもっと衝撃を与えられるでしょうし、親和性は意外と映画の方が高いのかなと思ったので、これはいいかもしれないとだんだん納得していきました。

 それとともに、連ドラの時のチームの居心地がすごくよかったんです。メークも衣装も、音声部やカメラもそうですし、もちろんキャストの方々も。いろんな人たちとすごくいい環境で仕事ができたので、単純にその人たちとまた仕事ができるのがうれしかったです。また、連ドラで原作の最後の方まで描いてしまったので、どういうふうにストーリーが出来上がっていくのだろうというのが楽しみでした。

−映画化に当たって何か準備したことはありましたか。

 孔明のキャラクターは、転生物なのであり得ない設定ではありますけど、割と完成された状態で転生してきていると思っていたので、連ドラの時も1話から10話まであまり変わっていないんです。僕の中で成長させたくなかったというか、成長し切った状態で生きていると思っていたし、感情のブレもほとんどなかったので、それは映画でも継続したいと思いました。だから改めて映画で何か新しいことをするつもりもなかったので、特に何も変えていないです。逆にあの格好で普通のしゃべり方をするのがちょっと恥ずかしいぐらいでした。

−ドラマから映画化へ。その反響の大きさについてどう感じていますか。

 SNSを当時はやっていなかったので詳細は全然分からなくて…。ただ、盛り上がっているというニュアンスは何となく伝わってきました。もともと原作やアニメがすごく人気だったので、実写化するのはとてもハードルが高かったのですが、僕たちなりにいろいろと工夫をしたり、こだわったところはありました。お芝居も普段とはちょっと違う癖をつけてみたりしましたが、それは見ている人たちにとっては関係ないですし、結局は面白いか面白くないかだと思うんです。でも、いい反響が多かったことが映画化につながったとも思うので、いろいろと工夫してきたかいがあったなと思います。もちろん初めから映画化を目指していたわけでもないですし、単純に連ドラとして1人でも多くの人に見てもらい、楽しんでもらうことがやりがいなので、映画化はご褒美みたいなものです。

−この映画の音楽についてはどう思いますか。

 音楽って身の回りにあるものだと思いますし、音を楽しむものだから、本作はどの世代にも楽しんでいただける作品になったと思います。そしてこの映画には、いわゆる写真映えするような衣装とか小道具がいっぱい出てくるので、そういう見た目でも楽しんでもらえると思います。

−ドラマから映画まで演じ続けた孔明は、向井さんにとってどういう役になり、どういう存在になりましたか。

 まさか3年間もこの格好をするとは思わなかったです(笑)。『三国志』自体はもちろん知っていましたし、分厚い漫画を読んだこともあるので、登場人物とかは何とか分かりますが、まさか自分がやるとは思ってもいなかったです。今までいろんなキャラクターを演じてきて、面白がってやったものもたくさんありますが、その中でも孔明は特に独特なキャラクターだと思います。孔明も、コメディーっぽいのもあれば、映画『レッドクリフ』のようなものもあり、作品によって全然テイストが違います。でもこの孔明は、そのどちらでもない、全く違うエンターテインメント性にあふれたキャラクターなので、アイデアとして面白いと思っています。そしてドラマを作る上で、すごく見やすい構成になっているので、キャラクターだけではなくてシナリオ構成もすごく秀逸だったと思います。個人的には「ああいう役もやるんだね」とよく言われるので、いろんな役を演じていかなければいけない仕事としては、また一つ引き出しが増えたというか、幅が広がったかなと思います。

−コメディーを演じることについてはどう考えていますか。

 コメディーにはいろんなパターンがありますが、大きく分けると、自分からボケに行くタイプと、一生懸命にやっているが故の滑稽さとに分けられると思います。今回は後者の方だと思っていました。連ドラの時も、クランクインする前に監督と食事をしていた際、「僕からはボケたくないです」と話しました。本人がボケるのではなく、周りとのギャップで面白い雰囲気が出せるものが本当のコメディーだと思っています。なので「コントはやりたくない」と言った気はします。監督も同じ意見だったので、無理に何かをやらされることはなかったです。とにかく一生懸命生きている人の方がギャップがあって面白い。それでもう十分にくすっと笑えると思います。

−20代の頃だったら迷っていたことが、今は迷わなくなったようなことはありますか。

 孔明は20代ではできなかったと思います。先ほどお話ししたコメディーに対する捉え方が年々変わってきたというのもありますし、孔明のキャラクターは、いろいろなテクニックがないと乗り越えられなかったと思います。孔明はすごくシンプルなのですが、台本にない歩き方や服のさばき方、しゃべり方というのは、今までの経験がないとできませんでした。2時間の映画の中でも、孔明のキャラクターは、ちゃんと感情でお芝居をする部分と、ちょっとテクニックが必要なシーンがいくつかありました。僕はテクニックがあまり好きではないので、なるべく使いたくないのですが、どうしてもテクニックに頼らなければならないシーンがいくつかありました。それは役者としての経験則という意味でも、多分20代ではできなかったと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)




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  • 孔明もちゃんと後継者育成と無茶なハードワークと使えるコマもクビを切っちゃう潔さが無ければ蜀は以外ともったかもしれんがな (´・Д・)」
    • イイネ!1
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