
5月19日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で、マツコ・デラックスが視聴者に対して謝罪する場面があった。だが、その重要なシーンがTVerで配信された動画からはカットされていたことで、視聴者の間で波紋が広がっている。
自社の不祥事に甘い日本テレビ
発端は3月24日放送回のVTR。中国出身の女性が「中国ではカラスを食べる」と発言したように編集されたVTRが流れたが、実際にはそのような発言はなかったことが発覚。放送倫理・番組向上機構(BPO)での審理対象にもなった。問題を受けて番組は街頭インタビューをしばらく自粛していたが、同19日放送分から再開していた。
「その冒頭でマツコさんは『申し訳ないという思いがいっぱいですよ。見続けてくださった方がいるわけだからさ。ガチな人が答えてくれることがおもしろい番組なワケじゃない? もう見ている人も笑えないよね』と率直に謝罪。共演している村上信五さんも、『(VTR)全部そうやって思ってまうやんか』と苦言を呈していました。
さらにマツコさんは、『私たちもいけないしね。VTR見ながら“こんなんじゃダメだ”みたいなこと言っちゃうでしょ』と、インタビューの精度についダメ出ししてしまうと反省の言葉を口にしていました」(芸能ジャーナリスト、以下同)
ところが、TVerで公開された見逃し配信では、この謝罪シーンが丸ごと削除されているのだ。ネット上では、
|
|
《月曜から夜ふかしの謝罪がTVerだとカットされてるの、そういうところだぞ日テレ》
《自社の不祥事にとことん甘い》
など、批判の声が噴出している。
「たしかにTVerでは、謝罪のやり取りが完全にカットされ、いきなりVTRから始まっていました。この削除にどんな事情があったにせよ、視聴者からすればこれまでの問題を“終わったことだと思っている”と受け取られても仕方ないでしょう」
こうした姿勢に、芸能プロ関係者も厳しい見方を示す。
「2023年に放送されたドラマ『セクシー田中さん』では、原作改変をめぐり原作者の芦原妃名子さんと日テレの間に深刻な対立が発生。翌年、芦原さんが急逝するという痛ましい結果になったにもかかわらず、同局は4月期に別の漫画原作ドラマ『たーたん』の放送を予定していました。しかし、猛批判を浴びた末に制作中止に。
|
|
さらに一昨年には、日本テレビの系列局の幹部が『24時間テレビ』の寄付金を着服するという不祥事も発覚。しかし番組は継続され、寄付方法を変えただけ。組織としての責任を問う姿勢は見られませんでした。こうした一連の対応を見る限り、今回の“謝罪カット”も含め、日テレには“自社の不祥事に甘い体質”が根深く残っていると言わざるを得ません」
信頼回復には、もっと正面から向き合う姿勢が求められるのではないだろうか。