【柔道】ウルフ・アロン「柔道人生は全うされた。悔い全くない」笑顔で引退会見　思い出の一戦は

柔道男子100キロ級で東京五輪（オリンピック）金メダルのウルフ・アロン（29＝パーク24）が10日、都内で引退会見を開いた。「柔道をやってきてよかった。柔道はこれまでの人生そのもの」と振り返った。

引退を決めたのは昨年。同年2月、グランドスラム・パリで優勝。その夏のパリ五輪を目指すにあたり「結果を残すため、パリ五輪を終わりとしなければ頑張れない」と心に決めた。

結果は7位。「望む結果は得られなかったが、精いっぱいの準備はした。後悔はない」と帰国後に公表した。

思い出に残る試合は、21年東京五輪の決勝戦。「東京五輪で優勝するためだけに柔道を続けてきた。あの決勝戦は忘れることはない」。同級では00年シドニー五輪の井上康生以来となる、21年ぶりの金メダルを獲得した。17年世界選手権、19年に体重無差別で争う全日本選手権とあわせて「3冠」を達成した。

今月8日には、現役最終戦となった全日本実業団体対抗大会に臨んだ。体重無差別5人制で争う男子1部で、個人としては3戦全勝、チームは準優勝だった。「柔道人生は全うされた。悔いは全くない」と笑顔を見せた。

今後については、改めて公表予定。現役時代も多くテレビ出演などをこなしてきたが「メディア活動や、柔道教室をやっていきたい」とした。【飯岡大暉】