
先日、東京メトロの駅構内にある自動販売機でペットボトル飲料を購入した、速度 (@No343D55)さん。
「駅で飲み物を買ったら、取り出し口にもう一本ペットボトルが入っており、誰かの取り忘れかな?と思いましたが、よく見たらこの自販機では売ってない商品でした。横に避けて駅員さんに通報しておきました。パラコート事件が想起されます。くれぐれも残留品は飲まないようにしてください」
「普通にペットボトルはしっかり冷えてて、余計にタチが悪かったな。悪意を感じる」
<速度さんのX(旧Twitter)の投稿より>
|
|
そんなつぶやきと共にXに投稿されたのは、「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」の自販機と、その取り出し口に置かれていたという、別メーカーであるアサヒ飲料の商品の写真。
速度さんと同じく、「パラコート連続毒殺事件」を想起したという声が多く寄せられた。
「未開封」でも安全じゃない
「確か、自販機や近くに置いてた飲み物に除草剤のパラコートが混入されてて10人以上死亡、未解決事件だったと思う」
「パラコート事件の影響で、『買ってもない物を絶対拾い食いしてはいけない!』と親からも学校からも口うるさく注意されてたなぁ」
「自販機では自分が買った物以外があっても『ラッキー!』と思わず取らない、飲まないこと」
|
|
「これを怖いと取る感覚は必要。落ちてるものは未開封でも安全とは限らないので口に入れない」
「子ども」にも注意喚起を
速度さんに詳しく伺ったところ、自販機は東京メトロ千代田線「千駄木」駅の構内にあり、特に人目につきにくい場所ではないという。
「つい最近、YouTubeで同様の事件を見たばかりだったこともあり、大変恐ろしく思うと同時に、ペイフォワード的な発想で、皆さんに注意喚起としてお知らせしたいと思い、投稿しました。
殺意を持った第三者にしろ、模倣犯や愉快犯にしろ、こうした事件は後を絶たないと思いますので、過去の事例をご存知ない方や、お子さんを持つ方々にも注意喚起として届いていれば幸いです」(速度さん)
過去の事件を知らない世代へ
「駅員さんに通報した」と投稿していた速度さん。実は周囲に駅員が見当たらず、駅の電話番号を検索し、電話で通報したそうだ。
|
|
「対応してくださったのは女性の駅員さんでした。詳細をお伝えし、『横に避けておいてもらえれば回収する』との回答でしたので、指示に従いました。特段、大きな驚きを持っての返答、という感じではありませんでした」(速度さん)
現在、ペットボトル飲料は「未開封」か「開封済み」かが一目で判別出来る構造になっているが、「注射器などでボトルや缶に毒を注入する手口」もあるため、未開封であっても、買った覚えのない商品には厳重な警戒が必要だ。
先日も、「知らない人から渡されたジュース」を飲んだ女子中学生3名が病院に搬送された事件が発生した。
自販機や店舗などで飲料を購入する機会も増えるこの時期。不審な飲食物は絶対に口にしないよう、くれぐれも注意をしてほしい。
今も未解決…「無差別連続毒殺事件」
「パラコート連続毒殺事件」とは、1985年に発生した、毒物混入・毒殺事件。
何者かにより、自販機の受け取り口や販売機の周辺に置かれた、致死性の高い除草剤「パラコート」などが混入された清涼飲料水を飲んだ被害者が死亡。
被害者は少なくとも13名とされ、2005年に公訴時効が成立した未解決事件。
パラコートは少量でも強い毒性を示す「毒物」であり、解毒剤は存在しない。
大量服毒した時は、呼吸循環不全によるショック状態に陥り、24時間以内に死亡に至るという。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)