歌舞伎俳優の片岡我當さん死去 90歳 松竹が公表 十五代目片岡仁左衛門の兄

26

2025年07月17日 19:07  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

片岡我當さん(C)松竹
 松竹は17日、歌舞伎俳優の片岡我當(本名・片岡秀公)さんが5月11日、肺炎のため亡くなったと公表した。90歳だった。「遺族にて新盂蘭盆会を済ませましたので、ご弔問、ご香典、ご供花はご辞退申し上げます」と伝えた。

【写真】令和2年時の『八陣守護城』で佐藤正清役を務めた片岡我當さん

 1935年1月7日生まれ。東京都出身。十三代目片岡仁左衛門の長男。1940年10月大阪・歌舞伎座『近頃河原の達引』のおつるで片岡秀公を名乗り初舞台。71年2月大阪・新歌舞伎座『二月堂』良弁大僧正、他で五代目片岡我當を襲名した。

 朗々たるせりふ回しに、スケールの大きな舞台姿、そして本人の誠実な人柄を
映す滋味にじむ演技で、立役として上方歌舞伎から江戸歌舞伎まで幅広い役ど
ころを務めてきた。

 父・十三代目片岡仁左衛門から譲り受けた『近頃河原の達引』の猿廻し与次郎、
『沼津』の平作、『新口村』の孫右衛門などは、素朴な人となりに情がにじみ、
『仮名手本忠臣蔵 九段目』の加古川本蔵、『熊谷陣屋』の弥陀六、『輝虎配膳』
の長尾輝虎などでは、役の複雑な性根を表現した。いずれも義太夫狂言への造
詣を活かした舞台であった。若き頃、二代目尾上松緑に師事したことで江戸の荒事を学び、『車引』の梅王丸なども演じた。

 上方歌舞伎の継承に熱心に取り組み、「上方歌舞伎会」などで上方の若手俳優の指導にも尽力。また、長年にわたり関西における学生を対象とした「歌舞伎鑑賞教室」を行い、歌舞伎観客の裾野を広げた。

 最後の舞台は、2020年2月歌舞伎座における十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言『八陣守護城』佐藤正清だった。

 弟は二代目片岡秀太郎、十五代目片岡仁左衛門、長男は片岡進之介。

このニュースに関するつぶやき

  • 芸に真摯な方で大好きな役者さんでした。小学校の課外授業で歌舞伎を見に行った時、わざわざ終演後に子供達を楽屋に招いて下さってお話して下さった半世紀も前の記憶が今でも暖かい記憶です。ご冥福をお祈りします
    • イイネ!19
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(12件)

ニュース設定