制御性T細胞「臨床応用可能に」=ノーベル生理学・医学賞の坂口さんが記念講演

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2025年12月08日 06:31  時事通信社

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カロリンスカ研究所で記念講演する大阪大の坂口志文特任教授=7日、ストックホルム近郊
 【ストックホルム時事】今年のノーベル生理学・医学賞を受賞する大阪大の坂口志文特任教授(74)が7日午後(日本時間同日夜)、ストックホルム近郊のカロリンスカ研究所で記念講演を行った。自身が発見した、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を使った治療について「臨床応用が可能な段階に入った」と強調。自己免疫疾患やがんの治療につながるとの展望を示した。

 同賞受賞者3人のトップバッターとして登壇した坂口さんは、まず「私を選んでくれたノーベル委員会、カロリンスカ研究所の方々に感謝したい」とあいさつ。「免疫寛容のための制御性T細胞―その発見と臨床的展望」と題し、自身が研究を始める契機となった愛知県がんセンターのグループによる業績など、主要な研究内容を約30分にわたって説明した。

 治療法として、同細胞の数を意図的に増減させるなど複数の方法があると指摘。その上で「自己免疫疾患や臓器移植に関連する病気の治療、さらには腫瘍への免疫力増強につながる」と述べた。

 最後に「たくさんの人に感謝を申し上げたい」とした上で、「まず第一に妻の教子、彼女は人生のパートナーであり、共同研究者でもある」と紹介した。

 会場に詰め掛けた多くの聴衆は、立ち上がって万雷の拍手を送った。 

カロリンスカ研究所で記念講演後、写真に納まるノーベル生理学・医学賞を受賞する(左から)大阪大の坂口志文特任教授、フレデリック・ラムズデル博士、メアリー・ブランコウ博士=7日、ストックホルム近郊
カロリンスカ研究所で記念講演後、写真に納まるノーベル生理学・医学賞を受賞する(左から)大阪大の坂口志文特任教授、フレデリック・ラムズデル博士、メアリー・ブランコウ博士=7日、ストックホルム近郊

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