限定公開( 10 )

まぜそばや油そばなどの「汁なしラーメン」が若者を中心に人気だ。スープの代わりにタレや油を麺に絡めて食べるラーメンで、卓上の酢やラー油で味を調整できるのが特徴となっている。
専門店も増加しており、2008年に1号店をオープンした「東京油組総本店」は、現在国内96店舗・海外3店舗を展開している。これまで汁ありラーメンを主力としていた店でも、油そばやまぜそばなど汁なしラーメンのメニューを導入する動きが広がっている。
吉野家では、2026年3月発売の「牛丼・油そばセット」が約1.5カ月で累計販売数200万食を突破した。
背景には、スープの仕込みに必要な時間や光熱費、人件費を抑えられるといった店舗側のメリットもある。
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こうした中、ローソンのオリジナルカップ麺「麺大盛り」シリーズで、「麺大盛り 魚介香る油そば」「麺大盛り 辛旨まぜそば」「麺大盛り ソース焼そば」(いずれも198円)などの汁なし商品が好調だ。累計販売数は約600万個に達している。
●「カップ焼そば」以外の汁なし需要を開拓
ローソンで展開するカップ麺のうち、現在約2割が汁なし商品だ。市場拡大のきっかけの一つとなったのが、明星食品の「明星 ぶぶか油そば」(以下、ぶぶか油そば)である。東京・吉祥寺の「らーめん専門店 ぶぶか」の看板メニューを再現した商品だ。
従来、コンビニの汁なしカップ麺は焼そばが中心だった。しかし、油そば専門店の増加や「ぶぶか油そば」の好調を受け、ローソンは焼そば以外にも需要があると判断。オリジナル商品として新たな汁なしカテゴリーの開拓に乗り出した。
ナショナルブランド商品の「ぶぶか油そば」は、コンビニでは価格が高くなりやすい(スーパーや量販店と比べ)。そこでより手頃な価格のオリジナル商品を投入し、コスパを重視する顧客の取り込みを図った。
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「ぶぶか油そば」がしょうゆベースの味わいなのに対し、2025年10月に発売した「麺大盛り 魚介香る油そば」は魚介風味にすることで差別化した。2026年3月末には「辛旨まぜそば」を投入し、夏場に向けた需要も取り込む。
●なぜ「汁なし」が人気なのか
汁なしカップ麺の人気を支える大きな理由は、コスパの高さだ。
ローソンの「麺大盛り」シリーズでは、汁あり商品の麺重量が90グラムなのに対し、「魚介香る油そば」や「辛旨まぜそば」では130グラム。価格は同じ198円だが、汁なしの方が麺の量が多い。
物価高で節約志向が高まる中、コスパを重視する利用客から支持されているという。購入者の8〜9割は男性で、30〜40代が中心だ。夕方から夜にかけての購入が多く、おにぎりに加え「Lチキ」や「からあげクン」などの揚げ物商品と一緒に購入するケースも多いという。
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暑い時期はスープがない分、汁ありラーメンよりも食べやすい。こうした季節要因も、汁なし商品の人気を後押ししている。
大盛りそのものへの需要も大きい。ローソンでは、レギュラーサイズの焼そばカップ麺は販売が伸び悩んだ一方、大盛りにリニューアルしたことで売り上げが伸長した実績もある。
ローソンの商品本部 飲料・加工食品部マーチャンダイザーの多和孝徳氏は「刺激とうまさが掛け合わさった商品は、やみつきになって再び食べたくなる。からさやニンニク、満腹感も刺激の一つ」と分析する。
最近では、あえて高カロリー、高糖質、高脂質な食品を楽しむ「背徳グルメ」「ギルティ消費」も広がっている。発売1週間で出荷本数2000万本を突破したサントリーの新ブランド「ギルティ炭酸 NOPE」も、こうした消費傾向に着目して開発された。
●「具なし」でコスパを重視
麺大盛りシリーズは、汁あり・汁なしを問わず、あえて具材を入れていない。
ローソンでは以前から、具材を省いて、その分のコストをスープの品質向上に充てた「スープ激うま!」シリーズを展開してきた。麺大盛りシリーズでも同様に具材をなくすことで、麺量やソースの品質につなげている。
具がないことを逆手に取り、アレンジ需要も取り込む。「魚介香る油そば」や「辛旨まぜそば」では、パッケージに「アレンジ推奨!」と明記。SNSでは、卵やネギ、マヨネーズなどを加えたアレンジ投稿も広がっている。
背景には、「ぶぶか油そば」のアレンジレシピがSNS上で話題になったことがある。これをきっかけに、まぜそば系の即席麺を自分好みにアレンジして楽しむ習慣が定着しつつあるという。
多和氏は「お客さまには分かりやすいコンセプトが刺さる」と話す。商品数が多い中で「スープがおいしい」「麺量が多い」といった明確な価値を打ち出すことで差別化を図る考えだ。
4月28日には新商品「麺大盛り たらこ味焼そば」(228円)も発売した。多和氏は「今後も気温上昇が続く中で、汁なしの商品は伸長していくと考えている。売り場や品ぞろえも拡大していきたい」と意気込む。
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