取材に応じる味の素の森島千佳執行役常務=20日、ワシントン 【ワシントン時事】家族や友人らと食事を共にする機会が多ければ、幸せを一層感じられる。このほど公表された調査によると、1人で食事する「孤食」の回数が少ないほど、幸福実感が高まるという結果が明らかになった。
調査は米調査会社ギャラップと味の素が142カ国・地域で2022〜23年に実施。1週間の食事がすべて1人だった人の幸福実感は10段階評価で4.9だった。家族や友人らと食事する回数が増えるに従い幸福実感は上昇傾向が示され、13回では6.1となった。
調査では、米国で孤食が急拡大している実態も判明。23年には成人の4人に1人が前日の食事がすべて1人だったと回答した。
味の素の森島千佳執行役常務は調査結果について「幸福感に食が役に立っていることが示された」と指摘。手軽に調理できるメニュー用の調味料や冷凍食品の販促を東南アジア諸国連合(ASEAN)地域や米国などで実施する方針を明らかにした。特に冷凍ギョーザに関し、「調理が簡単で、みんなで楽しむのに最適なメニュー。世界で展開していく」と強調した。
森島氏は米国での孤食拡大について「コロナ禍をきっかけに変わってきた」と分析。アジア系食品に特化した冷凍食品子会社を通じ、「食のおいしさ、楽しさを訴える取り組みをしていく」と意気込んだ。