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小学生時代に使っていた教科書の表紙を覚えていますか? なにか印象的な思い出があると大人になっても覚えているものですが、お母さんが娘さんから聞いた今の教科書の“秘密”がThreadsで注目を集めています。
●光村図書の「国語」教科書の表紙に驚きの声
注目を集めているのは、光村図書出版から発行されている「国語」の教科書です。2人のお子さんを育てるThreadsユーザー・Akiko Uさん(@utakata201)が長女から聞いた話によると、「6年の国語の教科書の表紙には、1年から5年までの表紙の絵が全部描かれてるらしい」とのこと。ちなみに長女は担任の先生から聞いたそうです。
そこで息子さんの教科書も見せてもらい、1年生・下と6年生の教科書を並べてみたところ、1年生・下の表紙に描かれているメインのモチーフが6年生の表紙にもさり気なく描かれていることを発見しました。家の屋根だった本が、よく見ると6年生では帆船の船尾に配置されてる……!
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●「知りませんでした!」「素敵なお話」と反響呼ぶ
投稿主さんが「なんて粋なデザイン! そんなん聞いたら国語の教科書が捨てられへん!」と感動の声とともにポストしたところ、「えー! 知りませんでした!」「そうなんですね うちの子もこの教科書です! この表紙かわいいですよね 見てみます」「学校の教科書って、授業でしか使わないの勿体ないくらい実は凝られてますよね。素敵なお話」などの声が寄せられ話題に。
また「私も光村図書だったけど、これって昔からやってたのかなぁ」という投稿主さんの疑問には、昔からそうだったという声や、1〜5年生の教科書に登場した動物が6年生で集合していた……なんて声も。ワクワクする話しかない!
●光村図書に聞いた
そんな気になる「国語」の教科書の“秘密”について、ねとらぼ編集部が光村図書出版の担当者に話を聞きました。
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――6年の国語の教科書の表紙には、1年から5年までの表紙の絵が全部描かれているというのは本当ですか
その通りです。令和6年度版小社小学校「国語」教科書6年では、1年から5年までの表紙に登場している動植物や乗り物などが描かれています。
――いつから始めたものなのでしょうか
平成27年度版の教科書からです。
――始めたきっかけを教えてください
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編集部では、教科書のイラストや挿絵などを先生にご依頼する際には、編集部の思いをお伝えしたうえで、具体的な内容については先生のイメージにお任せしています。平成27年度版の教科書の表紙絵を全学年担当してくださった大野八生(おおの やよい)先生は、「よく見てみると、こんなところにこんな動物が!」「おや、ここにも何か隠れている!」といった、ちょっとしたストーリーを子どもたちが見つけて楽しんでもらいたい、という思いをもって表紙絵を描いてくださいました。
大野先生は特に6年生を、「それぞれの好みがはっきりしてくる時期」と捉えられていて、自分はこれが好きだという感覚を子どもたちにもち続けてもらいたいという思いで、表紙絵を構想されようとしていました。また、それぞれの学年の表紙絵では、音楽や読書やスポーツ、いろいろな興味や関心をそれぞれの動物に託した、ということを語っていました。
そこで、編集部では、大野先生がそれぞれの学年に描いてくださった動物たちに、卒業する学年でもう一度登場してもらうのはどうだろうかと考えました。子どもたちが、これまでの表紙に登場した動物が全て描かれていることに気づいたときに、とても楽しい気持ちになるのではと思ったからです。大野先生には、令和2年度版でも表紙絵をお願いしましたが、その際も、6年の教科書には5年までの表紙に登場した動植物を描いていただきました。
また、現在使用されている令和6年度版からは嶽まいこ先生に手掛けていただきましたが、今回も、6年の表紙には、それまでのキャラクターやモチーフが集合しています。他の学年の教科書の表紙で親しんできたモチーフに6年生で再び出会うことで、小学校の最終学年の国語の学びを楽しく進めてもらえればと思っています。
(了)
美しく多様な世界に冒険心がくすぐられる令和6年度版「国語」教科書の表紙絵は、担当した嶽まいこ先生のWebサイトでも1年生〜6年生まで公開されています。また平成23年度版と平成27年度版、令和2年度版の表紙絵を担当した大野八生先生のインタビューは光村図書出版の公式サイトにて公開中。過去の国語の教科書がどんな内容だったかといった情報は、同じく公式サイトの「教科書クロニクル」で確認できます。
光村図書出版は、先生と保護者のための情報をWebマガジン「みつむら web magazine」にて発信しているので、興味のある人はのぞいてみるといいでしょう。
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