悩む男性(写真はイメージ) 内閣府は12日、初めて実施した「孤独・孤立に関する世論調査」の結果(速報値)を公表した。「孤独」や「孤立」を身近に感じるかどうか聞いたところ、「身近」「どちらかというと身近」は合わせて48.4%。「身近に感じない」「どちらかというと感じない」の合計は49.6%と拮抗(きっこう)した。無回答は2.0%。
内閣府の担当者は「誰もがこうした問題に直面し得るという認識を広げることが大切だ」と述べた。政府は調査を「羅針盤」と捉え、今後の政策推進に反映させる方針。
「孤独」や「孤立」のイメージについて複数回答で尋ねたところ、「心身の健康面に影響を及ぼすもの」が60.2%で最多。「人生のあらゆる段階で誰にでも生じるもの」(59.3%)、「誰かに相談することは良いことだ」(45.5%)が続いた。
コロナ禍で他者や社会との関わりが薄れた結果、自殺者が増えるなど「孤独・孤立」は社会問題化。このため、政府は2021年2月に孤独・孤立対策担当室を設置するなど、本格的な取り組みに乗り出した。
調査は10月23日〜11月30日に、全国の18歳以上の日本国籍を有する3000人を対象に郵送方式で実施した。有効回収率は53.5%。