ブルーシートに覆われ、閉鎖された東京ドームシティ※4月21日撮影 (C)ORICON NewS inc. 東京・文京区の遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」の遊戯機器で4月に作業中の20代女性が死亡した事故を巡り、東京ドームシティは10日、公式サイトを更新し、8月以降を目途に再開する方向であることを明らかにした。
【写真】ブルーシートで閉鎖…消防車も駆けつけて騒然とする東京ドームシティ サイトでは「東京ドームシティ アトラクションズ『フライングバルーン』事故調査委員会報告書を受けての今後の方針について」と題したページを掲載。事故発生後に設置した事故調査委員会の報告書がまとまったとして、原因と今後の方針を発表した。
事故の原因については「搬器が最上部で停止した状態で、通常の月次点検作業に加え、本来の計画や作業マニュアルには含まれていない非定常作業として、塔体中腹部にある『電磁弁』の取り外し作業(内部確認)をご被災者が行った際、油圧回路内の圧力が抜けて搬器が自重により下降して発生したものと考えられます」と指摘した。
さらに「本件事故の最大の原因は、裁量範囲の不明確さや、作業マニュアルと技術教育の不足等により、危険を伴う非定常作業に対する組織としての安全リスク評価が機能していなかったこと、また当該電磁弁の作業をご被災者が行うことを組織として正しく把握しておらず、事前に作業内容の確認もしていなかったことから、結果としてご被災者お一人で今回の作業を実施する状況を招いてしまったという、当社の安全管理体制の脆弱さによるものと判断されました」と説明した。
同社は「この事故に至った非定常作業に内在する安全リスクを組織として事前に把握できず、危険を伴う非定常作業を抑止するチェック機能を構築できていなかったという組織的な安全管理体制の不備に、重大な責任を感じております」と伝えた。
営業再開に向けて、全ての遊戯機器で作業時の徹底的な安全リスクの洗い出しと対策確認を実施するほか、作業実施前のミーティングの徹底、営業運転時の安全の再確認などの再発防止策を行っていくとした。
「フライングバルーン」については、同委員会による原因究明のプロセスが完了したことを受け、警察当局をはじめ関係者の了承を得て「撤去する予定」とし「東京ドームシティ アトラクションズの営業再開につきましては、本報告書の指摘事項に則った再発防止策の着実な実施が確認された遊戯機器から、社内外の監査を経たうえで、8月以降を目途に再開させていただく予定です。詳細が決まり次第公式ホームページにてお知らせいたします」と伝えた。
この事故を受けて北原義一会長が3ヶ月間、月額基本報酬の50%を自主返納するなどの対応を行う。同社は最後に「2011年にお客様がお亡くなりになった『スピニングコースター舞姫』事故の教訓から、お客様の安全・安心を最優先とした安全管理体制を構築してまいりました。一方で、作業中の従業員の安全管理が細部にまで及んでいなかったことがこのような事態を招いてしまいました」と説明。「二度とこのような事故を繰り返さないよう、全組織を挙げて不断の努力を傾け、安全文化の更なる浸透・定着に邁進する所存です」と結んだ。
事故は4月21日午前11時50分ごろに発生。警視庁によると、20代女性が機械の点検作業中に何らかの原因で機械に挟まれ、死亡した。