限定公開( 7 )
前田敦子が今夏に公開される関ジャニ∞の主演映画『エイトレンジャー2』のヒロイン役に決定した。同作は、2012年に公開された映画『エイトレンジャー』の続編で、関ジャニ∞扮するエイトレンジャーに加え、前田敦子が週刊誌記者・西郷純役として登場。前田は、八萬市(エイトシティ)で多発する失踪事件とエイトレンジャーとの関連を、記者として追っていくという役柄だ。
(参考:特撮×中川翔子は理想のコラボ!? 新曲『ヌイグルマ―Z』から伝わる両者のシンパシー)
前田のほかにも最近、いわゆる「特撮ヒーロー・ヒロインもの」に出演するアイドル・女優は少なくない。中川翔子が主演を務める『ヌイグルマーZ』は、大槻ケンヂ原作『裁縫人間ヌイグルマー』を実写映画化した特撮アクションコメディ。中川演じる冴えないロリータファッションの少女・鮎川夢子(通称:ダメ子)が、ピンクのテディベア、ブースケと合体することにより「ヌイグルマー」へと変身。悪の軍団と激闘を繰り広げるという内容だ。壇蜜主演の映画『地球防衛未亡人』もまた、特撮ヒロイン映画として注目を集めている。地球防衛軍のエースパイロット・ダン隊員が、地球を守るために怪獣と戦う姿を描いた作品だ。でんぱ組.incが主演を務めた『白魔女学園』も、広義の意味では特撮ヒロインものと言えるだろう。白魔女に変身した最上もがは、激しいアクションシーンにも挑戦している。
このように、アイドルや女優が「特撮ヒーロー・ヒロインもの」に出演するケースが目立っている背景には、どのような事情があるのか。アイドルやポップカルチャーに詳しい芸能ライターは次のように分析する。
「まず、アイドルグループの場合は、映画の中でメンバーそれぞれの個性を際立たせるのに、戦隊ものの作品が適しているということが挙げられると思います。チームの中で起こるすれ違いや葛藤、そして絆といった関係性を描くのに、群像劇の性質を持った戦隊ものは、青春学園ドラマと匹敵するくらい相性が良いのです。そもそも、ももいろクローバーZなどのグループは、戦隊ものから着想を得ているような部分もあるので、相性が良いのはある意味、当然ではないでしょうか。でんぱ組.incの『白魔女学園』などは、そういったケースの典型かと思われます」
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また、アイドルや女優自身が戦う描写が増えていることについては、「映画業界全体の流行とも関わっているのでは」と同氏。
「80年代から90年代前半に増加した、セーラームーンなどに代表される『戦闘美少女もの』は、日本のアニメや漫画に顕著な表現でした。しかし、最近では海外の映画を見ていても、ヒロインが積極的に戦う作品が増えています。たとえば2012年に公開された『白雪姫と鏡の女王』では、リリー・コリンズ演じる白雪姫が、小人たちとともに戦闘の訓練をして、自ら剣を振るって女王と戦うという、これまでの白雪姫像を塗り替えるような作品でした。同じく2012年に発表されたディズニー映画『メリダとおそろしの森』も、プリンセスが弓矢で戦う作品です。ヒロインが戦う映画は過去にもありましたが、ここにきてひとつの大きな潮流となっているように感じます。アイドルや女優が戦う作品が目立つのは、そのような映画業界全体の流れも影響しているのかもしれません。加えて、日本の『戦闘美少女もの』というジャンルが成熟し、そういった作品が幅広い層に受け入れられているから、という側面もあるかと思います。『ヌイグルマーZ』はサブカル色の強い作品ですが、ヒロインが変身して悪と戦うというストーリーは、現在20代後半〜30代となっているセーラームーン世代にとってはもちろん、いまの子どもたちにとっても馴染みやすいのではないでしょうか」
さらに、アイドルや女優にとっても「特撮ヒーロー・ヒロインもの」に出演するメリットはあるという。
「アイドルや女優のファンと『特撮ヒーロー・ヒロインもの』の映画のファンは、決してイコールではありません。そのため、アイドルや女優にとってそのような作品に出演することは、ファン層を拡大するきっかけになります。前田敦子の場合は積極的に戦う主人公ではありませんが、関ジャニ∞との共演によって、これまでのファンとは異なる層に存在感をアピールできる可能性が高いでしょう」
幅広い層のユーザーが楽しめ、なおかつアイドル・女優の新たな魅力を照らし出す「特撮ヒーロー・ヒロインもの」映画。これらの作品への出演をきっかけに、活動の幅を広がるアイドル・女優は今後も増えそうだ。(リアルサウンド編集部)
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