ライオンはこのほど、洗濯物の生乾きの臭いや乾きにくいといった課題が多い「冬の部屋干し」の対策方法について公開した。
空気が乾燥し、湿度が低い冬。湿度が低くなれば、洗濯物も早く乾きそうだが、実際には湿度が高い夏よりも乾くまで時間がかかる。洗濯物が乾燥するスピードは、「温度」「湿度」「風」の3つの条件によって変わるが、冬は湿度が低く、室内は風の影響も少ないので、洗濯物の乾きやすさを決めるのは、温度の影響が大きいと考えられるという。
冬は部屋干しをする人も多いが、部屋の温度が高くなればなるほど水分が水蒸気になり乾きやすくなる。暖房がないと、温度は低いままのため、繊維中の水分が水蒸気になりにくい。その結果、洗濯物の乾きが遅くなるとのこと。
冬に部屋干しした洗濯物を早く乾かすには、「温度」と「風」にアプローチするのが有効だという。エアコンなどの暖房器具で室温を上げたり、エアコンや扇風機、衣類乾燥除湿機などで衣類に風を送ると、乾燥時間を短縮できる。
干し方を変えることも、乾燥時間の短縮に有効。実験によると、ずらし干し(前後をずらした干し方)にすると、真っ二つに追った干し方(410分)に比べ、35分も早く乾かすことができたとのこと。
また、角ハンガーを使う場合は、「アーチ干し」がおすすめだという。「外側に長い衣類、内側に向かって短い衣類を干す」「乾きにくい素材(綿など)を外側に、乾きやすい素材(化繊など)を内側に干す」「厚手の衣類を外側に、薄手の衣類を内側に干す」ことで、早く乾かすことができる。
部屋干しで気になる「生乾き臭」は、洗濯の時に落としきれなかったわずかな「汚れ」が化学的に変化したり、「菌」による作用を受けたりするのが原因でおきる。乾きづらい冬の季節は、干す時間が長く、「菌」が増殖しやすくなるため、対策が必要だという。
部屋干し臭を防ぐには、「消臭・抗菌・除菌」が重要。抗菌効果のある洗剤で洗うこと、除菌・抗菌効果がある酸素系漂白剤を使うこと、抗菌効果・消臭効果のある柔軟剤を使うとよいという。
特にニオイが気になる衣類やタオルは、「つけおき洗い」が有効とのこと。洗面器や洗濯おけに衣類が浸る程度のぬるま湯(40℃)に酸素系漂白剤を入れ、全体をしっかり浸してから、30分〜2時間程度つけおきし、抗菌効果のある洗剤で洗濯後、消臭・抗菌成分の入った柔軟剤で仕上げをすると効果的だという。
冬に部屋干しをした場合、暖房で温めた部屋での部屋干し・暖房をしない部屋での部屋干しのどちらでも、結露が発生しやすくなる。こまめに換気をし、天井や壁に設置されている空気の取り込み口「吸気口」を全開にし、風通しをよくするとよいとのこと。結露対策グッズを活用してもよいという。
冬の部屋干しに最適な場所は、昼・夜とで異なる。「夜洗濯」の場合は、リビングなど暖房をかけている部屋に干すのが正解とのこと。一方、日中、外出している間に部屋干しをする時には、いちばん日の当たる部屋がベスト。日差しがたっぷり入る部屋のほうが室温が上がりやすく、洗濯物も早く乾くという。
冬の洗濯物の乾燥に大活躍の「浴室乾燥機」は、使用する前のカビ対策も大切。カビのない清潔な空間で衣類を乾燥させるために、浴室用の防カビくん煙剤を使用することもすすめている。(フォルサ)