早々に優勝争い脱落の西武ライオンズ、チーム打率は史上最低記録更新ペースの暗黒時代へ

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2024年05月11日 15:01  日刊サイゾー

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(写真/Getty Imagesより)

 1980年代から90年代にかけて“王者”として君臨し、今世紀に入ってもリーグ優勝は5回。常勝軍団の名をほしいままにしてきた西武ライオンズから、往時の勢いが完全に消えている。2021年に42年ぶりに最下位となり、昨年から松井稼頭央監督がチームを率いているが、今季も目下、最下位。2018年と2019年の連覇時は、とにかく打ちまくる打撃陣が“山賊打線”と呼ばれたが、わずか数年で目を覆いたくなるような貧打戦となっている。

「西武は昨年、得点とホームランがリーグ最低で、打率と安打数はワースト2位でしたが、今年はさらに酷い状況です。現在(5月8日終了時点)、チーム打率は.203で、レギュラーの打率トップは金子侑司の.250。スタメンに1割台や0割台の選手がずらりと並ぶようでは勝負になりません。得点圏打率は1割台で、1試合平均で2.5点しか入らず、代打の打率はいまだ.000。2リーグ制以降のチーム打率最低記録が.201(国鉄 1962年)なので、ワースト記録を更新する勢いです」(野球ライター)

 これだけ打撃陣が打てなければ補強を行うべきだが、昨秋のドラフト会議では1位から5位まで投手を指名。主砲の山川穂高が抜けたのにさしたる補強も行わなければ、この結果は必然だ。その背景には、チームが抱える構造的な問題がある。

「西武は主力選手が移籍を希望しても、引き止めるという選択肢がない。2018年の優勝メンバーを見ると、山川、浅村栄斗、森友哉、炭谷銀仁朗はFAで移籍(炭谷は今季から西武復帰)、秋山翔吾と菊池雄星はメジャー挑戦。その間のFA獲得はゼロです。元々は外国人選手を取るのが上手なチームでしたが、ここ数年は毎年ハズレだらけ。育成力には定評がありますが、自前で戦うにも限界があるでしょう」(同上)

 金で選手をかき集めるのを嫌う方針は評価すべきだが、主力がどんどんチームを去るようではファンはやりきれない。問題点はそれ以外にもある。

「西武の本拠地は『ベルーナドーム』という名前通り、一応ドーム球場ということになっていますが、実際は“フタ”をつけただけ。風が吹き抜けるので、春や秋のナイターは寒く、夏は熱気がこもって暑く、ファンはもちろん選手にも不評です。立地も悪く、都心から軽く1時間は掛かるので、解説者や記者から嫌われ、近隣にホテルがないので、ビジター選手はバスで1時間近く移動して都内に泊まっています。選手寮や室内練習場はボロいことで有名で、新人選手の入寮時の取材では、建物全体が映らないようにするのがお決まりでした。数年前にようやく建て替えられましたが、さっそく部屋数が足りなくなる事態が発生し、失笑を買う珍事件もありました」(週刊誌スポーツ担当記者)

 こうなると頼りにすべきは松井監督の手腕だが、こちらも現場の評判はあまり芳しくない。

「松井監督は2019年から2軍監督を務め、2023年に満を持して1軍監督に就任しましたが、2軍監督時代の成績は6位、6位、7位(7チーム中)。特に誰を育てたわけでもなく、昨年も5位ですから、指導力には疑問符がつきます。指導法はとにかくソフトで、声を荒らげるなどもっての外。試合に負けても決して選手を責めませんし、失敗した選手や経験の浅い若手にも均等にチャンスを与えるので、選手はやりやすいでしょうが、この成績では……。ハッキリ言ってチームの雰囲気は緩いですね。本来であれば“休養”の二文字さえチラつく成績ですが、松井監督はチームのレジェンドなので、そう簡単に首は切れない。これでシーズン終了後、メジャー挑戦を公言している高橋光成がチームを出るようなら、一気に暗黒時代に突入する可能性は十分にあります」(同上)

 コンプラ的には100点で、人間性は全く問題なさそうな松井監督だが、ボスの役割はそれだけではダメなよう。今季は2年契約の最終年だけに、そろそろ選手を厳しく叱咤するタイミングなのかもしれない。

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  • 松井稼頭央が本気で怒ったらラオウ並みに怖いやろな。
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