「こっっっわ」 ただのLINEだと思ったら……よく考えると分かる“恐ろしい真相”に背筋が凍る――“注目急上昇中”の謎解き作家に「発想の源泉」を聞いた

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2024年08月23日 21:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

4人のキャンプで右手が5本

 真夏なのにゾッと寒気を感じる謎解きがX(Twitter)で話題です。1枚の写真に何重にも仕掛けられた謎解きが反響を呼び、投稿は記事執筆時点で2470万回以上表示され、6万9000件のいいねを集めています。ねとらぼ編集部は注目度急上昇中の謎解きシリーズ「#この謎解きはフィクションです」の作者に話を聞きました。


【“恐ろしい真相”を見る】


●キャンプ先の友人から出題された謎解きが不穏すぎる


 投稿者は、謎解きクリエイターの角谷進之介さん。


 「キャンプに行ってる友人から謎解き送られてきた でもなんかこの問題、どこかおかしい気がする……」として投稿されたLINE風のグループチャット画面では、食材を使った謎解き問題が出題されています。


 写真には「とうもろこし」「きゅうり」「ニワトリのつみれ」「やきにく」の皿が写っており、それぞれの皿の下には立てている指で数を示している手が添えられていました。


 「なんか地元の人も寄りつかない? らしい まじで俺たち以外誰もいないwww」という書き込みや、謎の白い手、4人でキャンプに行っているのに右手が5本あることなど、いろいろと不穏すぎますが、いったいどういうことなのでしょうか。


●何重にも仕掛けられた恐怖の謎解き


 こうした問題に慣れていれば、各皿の食材名から指の本数が示す位置の文字をピックアップすればいいと分かります。つまり、「とうもろこし」の前にある1本の指は1文字目の「と」を、「きゅうり」の前にある4本の指は4文字目の「り」を、「ニワトリのつみれ」の前にある6本の指は6文字目の「つ」を、「やきにく」の前にある4本の指は4文字目の「く」を示しているというわけです。これを順番に読むと「と・り・つ・く」=「取り憑く」だ……!


 ちなみに、「ニワトリのつみれ」の前にある“謎の白い手”をないものと考えると、答えは「と・り・に・く」=「鶏肉」となり、確かに食べ物の名前となります。じゃあ、この白い手って……。


 これだけでもゾッとしますが、どうやらさらなる仕掛けもあったようです。とある引用リポストの投稿では、「更に、とりつく→取り『つ』『く』 4人の名前から『つ・く』を取り除いて上から読むと……」と別の仕掛けに気付いてしまった人がいました。


 「とりつく」を「つ」と「く」を取り除くことだと解釈し、グループメンバーの名前からそれらの文字を抜いて上から順に読んでみると、答えは「に・が・さ・な・い」となります。ひぇっ……。


 さらに「グループ(5)なのに既読も5」という指摘も。これだと、本来5人のはずのグループメンバー以外にもう1人いることになってしまう……。


 極め付きは、謎解きに対する「ん?食べ物じゃなくね? 何この答え」という返事が「既読1」となったあと、キャンプに行ったメンバーからは5時間以上返信がなく「おーい」という呼びかけにも既読は「1」のままということ……うわああああああああああああああっ!


●「こっっっわ」「芸が細かくて最高に好き」


 何重にも仕掛けられた恐怖ポイントでゾクゾク感ハンパない謎解きにリプライや引用リポストでは、「こっっっわ」「6人目いるの怖い怖」「5人のグルチャに対して最初の既読が5なのとか、最終的に一人だけ既読つくのとか、芸が細かくて最高に好き」などの反応が寄せられました。


 このほかにも「入院中仲良くなった子どもからもらった手紙」「24時間安価で仕事引き受けてくれる会社の年季の入った謎解きポスター」などさまざまな謎解きが投稿されて毎回反響を呼んでいるシリーズ「#この謎解きはフィクションです」。ねとらぼ編集部では、そんな秀逸で恐ろしい仕掛けが幾重にも凝らされた謎解きの作者である角谷さんに、始めたきっかけや“発想の源泉”などを聞きました。


●角谷さん「フィクションが現実に侵食してくる瞬間が好き」


―― 「#この謎解きはフィクションです」を始めたきっかけを教えてください


角谷さん: 以前謎解きのお題を募集したことがあって、そのときに「ホラー」というお題をいただきました。


 それで最初に出したLINEと鏡の問題を思い付いたのですが、実際作ってみるとかなり不穏な画像になったので「フィクションであることに言及した方がいいな」と思ったのが発想のきっかけでした。


 私自身フェイクドキュメンタリーやモキュメンタリーが大好きな人間なので、その文脈と謎解きをミックスさせることができたら面白いと思い、このシリーズを始めてみました。


―― 1枚の謎にいくつもの仕掛けがある秀逸な問題が多い印象ですが、問題作成の際に心掛けていることはありますか?


角谷さん: メインの問題さえ解けば大筋の物語は体験できて、隠し要素は考察の深掘りのため、といったイメージで作問しています。


 メインの問題を解いてゾッとするだけでもよし、「まだ何かあるはずだ!」とさらに問題を探ってみるのもよし。どちらの人にも楽しんでいただきたいという狙いがあります。


 謎解きに答えはあれど、物語の正解は語られないので「自分が感じ取った世界」を解き手の方々には大事にしていただきたいなと。


―― 好きな作品・謎解き公演やアイデアを思い付くためにしていることなど、発想の源泉についても教えてください


角谷さん: このシリーズでいえば、一般的な謎解き公演よりも「SCP」や「フェイクドキュメンタリーQ」の影響をかなり強く受けています。


 作家さんですとホラー作家の梨さんや雨穴さん、あとYouTubeでShortsを出されている奇譚師にんぎょさんの作品を好んで見ています。


 また、“日常の中に混ざる異物”を謎解きにしたいので、看板や生活用品などなるべくありふれたものを「謎解きに絡められないか」「ここから不思議な展開がはじまるなら?」という視点で観察していますね。


 あとは逆に、不思議な話や怖い話を先に考えて「この話に謎解きが登場するなら?」という発想で考えることもあります。


―― 今回の問題含め「#この謎解きはフィクションです」シリーズには大きな反響が集まっていると思うのですが、心境はいかがでしょうか?


角谷さん: とてもうれしい反面、かなり突然注目が寄せられたので、いまだにびっくりな気持ちが残っています。


 ただプレッシャーとかはあまりなくて、「今度はどんな方法で問題を出そう?」と考えて毎回新しいことに挑戦するのが本当に楽しいので、リラックスした気持ちで作っています。


―― 最後に今後の展望についてお聞かせください


角谷さん: フィクションが現実に侵食してくる瞬間が好きなので、Xに限らないフォーマットでも物語を展開してみたいです。Webサイトや周遊イベントなど……。


 皆さんに「もしかしたら自分の周りにも謎が仕掛けられてるかも?」なんて思ってもらいながら、普段の投稿も楽しんでいただけたらうれしいかぎりです。


取材協力:角谷進之介(@Kadoya_Sk)さん



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