俳優の駿河太郎、三船美佳がMCを務める、MBSテレビ『住人十色 〜家の数だけある、家族のカタチ〜』(毎週土曜 後5:00 ※関西ローカル)のあす14日放送回は、4つの大きな「箱」のおかげで、片付けから解放された家を紹介する。
【内部写真複数】家の中に“浮いている箱” 不思議な空間にこだわりぎっしり 舞台は、高知県高知市。住人(アルジ)は、3人の子供がいる夫妻。ともに県職員として働き、3年前に新居を建てた。杉材の外壁に覆われた三角屋根の家に入ると、天井高5メートルの間仕切りのない大空間が広がる。床は全面モルタル。
中央には、四角い箱のような形をしたスペースがある。家にはこのような箱が4つあり、中には天井からぶら下がっている箱も。実は、この4つの箱のおかげで片付けいらずになり、アルジは大助かりなのだという。
結婚後、高知市内の賃貸マンションで暮らしていたが、妻は子どもたちが遊んで騒ぐ音や収納の少なさが気になるようになり、夫も趣味のスイーツ作りに没頭できず。そんな中、妻の実家近くに土地を発見し、不満を全て解消するマイホームを思いたった。子どもは遊び放題、趣味も大満喫、なのに片付けしなくてもいい、そんな無理難題を目指した秘策が、4つの箱。しかも、箱は中だけでなく、上も下もその周りまでも活用できる“一石四鳥”のスペース活用法となっている。
ダイニングはテーブルだけで、子どもが小さい頃は食べこぼしが多かったため、椅子は置かず座卓に。その代わり、座ってくつろげるよう床にはゴムのように柔らかく耐久性があるポリウレタン素材のマットを敷いた。水拭きができるので、掃除も楽だという。
ダイニングの隣に浮いている箱の真下は、頭をぶつけないよう一段掘り下げた子どもの遊び場。段差になった床下におもちゃを収納し、くぼみの中は散らかしてもOKというルール。くぼみの深さは42センチ。腰をかけるにも、中に座って背もたれにするのにもちょうどいい高さで、ソファーがいらない分、省スペースを実現。一方、遊び場の真上の箱は、5帖のシアタールームになっており、持ち運びできる折りたたみ式はしごを使用して中に入る。
2つ目の箱は、4.5帖のコンパクトなキッチンで、夫が趣味のスイーツ作りに使う調理グッズがぎっしり。必要な道具や皿がすぐに取り出せるオープン収納になっているが、箱の中になるため、ものを出しっぱなしにしていても外からは見えない。また、集中して作業できるのも箱形にしたメリットだという。
そんなキッチンの箱の横には、白い棒が突き刺さっている。これは「マスト」と呼ばれる登り棒。高知県は保育園から「マストのぼり」という運動会の定番競技があるといい、妻の強い希望で取りつけた。そんなマストを登ったキッチンの箱の上に、長女の部屋がある。実は4つの箱のうち2つの上部がロフトスペースになり、それぞれを子ども部屋に利用。下からは全く見えないので、片付ける必要なし。これで妻も子どもを叱るストレスから解放されたという。
さらに水回りをまとめた箱や、寝室と収納を兼ねた箱があり、4つの箱とそこから生まれるスペースをうまく活用することで、わざわざ片付けをしなくてもスッキリ。快適でありながら、家族それぞれの楽しみも広がった。
妻は「友だちには変わってるって言われるんですけど、実際暮らしてみたらすごく家が楽しくて。快適にもなったし、家が楽しいからずっと家にいるみたいなことが多くなった」と語る。また、長女には「お父さんと一緒にお菓子を作りたい」という夢もできたという。