【バスケ】前年王者B1仙台決勝進出 新加入フェリシオ最後の10分で10得点 東北カップ

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2024年09月15日 21:48  日刊スポーツ

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仙台対山形 22得点15リバウンドとダブルダブルの活躍を見せたB1仙台・フェリシオ(左)(撮影・浜本神威)

<東北カップ>◇15日◇準決勝、5位決定戦◇青森・カクヒログループスーパーアリーナ>



東北カップ前年王者のB1仙台89ERSが、B2山形ワイヴァンズに81−72で勝利し、決勝進出を決めた。


新加入のパリ五輪ブラジル代表のクリスティアーノ・フェリシオ(32)が22得点15リバウンドとダブルダブルをマークし、ゴール下で存在感を示した。B1秋田はB2青森に78−59で勝利。16日の決勝は、仙台と秋田が対戦することに決まった。5位決定戦はB2福島がB3岩手に80−68で勝利した。


   ◇   ◇   ◇


苦しんだ30分間がうそのように、第4クオーター(Q)でフェリシオが暴れた。57−57で迎えた同Q、開始1分を過ぎてから、自身の連続7得点で64−62と優位に立つと、そこから一度もリードを許さなかった。最後の10分だけで10得点。「全体としては及第点だと思っています。しっかり勝つことができて、決勝に進めるということは非常に良かった」と振り返った。


前半に7得点、第3Qには5得点を挙げたが、フラストレーションはたまっていた。第3Q残り6分24秒、ネイサン・ブース(30)のパスをゴール下で受けるも、そこから4度シュートを外す。頭を抱え、コートを両手でたたいた。「決めるべきシュートを決められず、自分を苦しめてしまった。そして、自分がチームを助けられる部分だと思っていたことができなかった。チームを苦しい展開に持って行ってしまった」。自責の念にかられて出た行動だった。


だが第4Qに連続得点で、主導権を握った。「1つ1つのシュートを大切に、外れてしまったら次のプレーでどうやってそれを取り返すのかというマインドに切り替えました」。チームのために跳び続け、得点もリバウンドも両軍最多をマークした。


日本に来て2試合目。1試合目は台湾のプロチームだったため、日本のチームとの対戦は初めてだった。「非常にペースが速いという印象を受けました」。ただ、ハイペースなバスケットは、これまでのキャリアの中で経験済み。「勘を取り戻していけば、自分の強みでチームの中で貢献できると思っています。自分に何ができるのか、これからもう少しゲームを重ねて、見つけて行かなければいけない」。プレシーズンで、仙台での自身の価値を見いだしていく。【浜本神威】


B2山形の白戸大聖(29)が、17年から3シーズンを過ごした古巣相手に13得点と存在感を見せた。


19−20年シーズンにチームメートだったB1仙台の片岡大晴(38)とマッチアップ。第2Q中盤に片岡へのディフェンスでファウルを取られフリースローを与えたが、同Q残り1分56秒にゴール下へ入り込み、片岡からファウルをもらってフリースローを獲得。やり返した白戸は「本当に尊敬する先輩の1人。マッチアップできて光栄でした。成長した姿を見せられるように必死にプレーして追いつけるように練習しているので、それをちょっとは見せられたかな」と振り返った。


前半は44−37と、B1チーム相手にリードを奪っていた。後半には一時13点差とされながらも、最後は1桁点差まで迫った。「諦めずに最後まで全員で食らいついていけたのが良かった」。自身にとってもチームにとっても、今季につながるゲームとなった。


B1秋田が、初戦とは打って変わって、第1Qから相手を突き放し、19点差の快勝で決勝に進んだ。前田顕蔵ヘッドコーチ(HC、42)は「出だしからディフェンスのポジションがすごく悪かった。まだまだ徹底できていない」と厳しく振り返りつつ、「今、大事にしているのは全員が同じ絵を描いてプレーできること。コミュニケーションが非常に大事。そういう部分を積み上げていきたい」とシーズンを見据えた。


決勝で仙台との再戦に臨む。昨年の東北カップは76−89で敗れた。前田HCは「勝って経験値を積み上げたい。これだけたくさんの人が見に来てくれているので、勝ってみんなで喜んで帰りたいなと思います」。田口成浩主将(34)は「選手は違えど、チームとしてのリベンジマッチ。プライドを持って東北のナンバーワンだと言えるように。全員で笑って帰れるように」。2年ぶりの東北王者へ−。アリーナをピンクに染め上げて笑顔で締めくくる。


青森は第1Qに12−29と大きく離されながら、第2Qにはマックス・ヒサタケ(26)のワンハンドダンクが決まるなど勢いづき、19−12と盛り返した。前半を終え、31−41まで詰め寄ったが後半、強度の高いディフェンスを続ける秋田を崩せず。山形との3位決定戦に向け、大島洋介HC(47)は「徹底的にラン&ガンをやり抜く。明日もう1回気を取り直して、同じことをやっていきたい」と意気込んだ。

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