“ファッション界の革命児”と脚光浴びるもある発言で“転落” 天才デザイナーの「栄光と挫折」

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2024年09月19日 08:00  Sirabee

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Sirabee

(© 2023 KGB Films JG Ltd)
(© 2023 KGB Films JG Ltd)

2011年、クリスチャン・ディオールのデザイナーとして、ファッション界を席巻していたジョン・ガリアーノが、警察に一時拘束される事件が起こります。

ガリアーノが反ユダヤ主義的暴言を吐いたことが原因で、その動画が拡散、後に有罪となりました。

事件から13年を経て、ガリアーノの軌跡を描くドキュメンタリー『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』が9月20日より公開。「ファッション界の革命児」と称された彼の栄光と挫折から、贖罪の在り方を考えてみましょう。

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■天才デザイナーのはじまり

ジョン・ガリアーノは、1960年11月28日生まれのファッションデザイナー。1984年、イギリス、ロンドンのセントマーチンズ美術学校の卒業制作が脚光を浴び、一躍注目株となりました。

9月20日公開の『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』では、実際の卒業制作のショーが映し出されます。当時流行していたモノトーン系の色使いながら、フォルムがやわらかく、個人的には「ものすごくかわいい!」という印象でした。

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■発言による転落

(© 2023 KGB Films JG Ltd)

そしてガリアーノは早くも翌年1985年に、ロンドン・コレクションでプロデビューを飾ります。以降、ジバンシィ、クリスチャン・ディオールのデザイナーとして、次々とコレクションを発表。快進撃を続けます。

ところが、絶頂期の2011年2月、パリのカフェで転機を迎えます。隣に座ったカップルに反ユダヤ主義的発言をしてしまうのです。

結果、有罪となり、ディオールからは解雇。すべてを失ってしまったのでした。

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■無知の知がもたらすこと

(© 2023 KGB Films JG Ltd)

本作では、ガリアーノ自身が当時をふり返り、なぜあのような発言をしてしまったかを語る一方、被害者も現在の心境を語る姿が登場します。

人が罪を犯して加害者になった時、許されるべきなのか、被害者は許さなければならないのか、判断が分かれるところですが、自身の無知を自覚すること、つまり「無知の知」は、何らかの助けにはなるのでしょう。

罪を犯したガリアーノは、ユダヤ人の歴史についてなどを、まずは「知ること」からはじめ、それを続けているようです。2014年からメゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターとして復活したガリアーノを見ると、その「知ること」に努める姿勢を、ただの罪を許されたいがためのポーズだと思われる可能性も否めません。それでも、ガリアーノに手を差し伸べる人がいる以上、人は生かされているのだと、観ている私たちも実感せざるをえないのでしょう。

++++++++++++++++++++『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』9月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー公式サイトはこちら!

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(取材・文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)
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