「スカイキャッスル」大西利空、大切な家族を失う悲しみ・受験のストレス…遥人と重なる葛藤を乗り越えた方法【インタビュー】

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2024年09月19日 08:04  モデルプレス

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モデルプレス

モデルプレスのインタビューに応じた大西利空(C)モデルプレス
【モデルプレス=2024/09/19】テレビ朝日系木曜ドラマ「スカイキャッスル」(毎週木曜よる9時〜)で、エリート医師の一人息子・冴島遥人役を熱演し注目を集める俳優の大西利空(おおにし・りく/18)にモデルプレスがインタビュー。ドラマの裏話から役と重なる実体験、憧れの存在までたっぷりと語ってもらった。

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◆松下奈緒主演「スカイキャッスル」

原作は視聴率23.8%を記録し社会現象を巻き起こした韓国ドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』。美しきセレブ妻たちのドロ沼マウントバトルを描き、「謎多き事故」をきっかけにスリリングな急展開が次々と押し寄せる、予測不能なギラギラ・ドロドロの“ギラドロ”サスペンスミステリーを描く。

大西演じる遥人は、エリート医師の一人息子。受験戦争を勝ち抜き、両親との関係も極めて良好と順風満帆な人生を歩んでいるように見えたが、母・冴島香織(戸田菜穂)を自殺に追い込んだ張本人であり、事故をきっかけに生活が一変してしまう複雑な役どころだ。

◆大西利空「SKYキャッスル」リメイク版出演への思い

― まずは、本作へ出演が決まった時の心境を教えてください。

大西:原作の韓国版は僕の周りでも観ていた方が多かったので、そんな人気ドラマの日本版リメイクに出演できるなんてすごく嬉しかったです。

― 人気作なだけに様々な反響があったと思いますが、プレッシャーを感じることはありませんでしたか?

大西:出演できることがただただ嬉しくて、プレッシャーはあまり感じませんでした。気負うことなくいつも通りやろうと考えていました。

― 日本版に出演するにあたり、原作との差別化を意識していることはありますか?

大西:最初は原作と違いをつけようと考えていましたが、監督が「あんまり気にしないで」「行き詰まっても原作を意識せず、自分の思うがままにやっていいよ」と言ってくださったので、僕も原作だけに囚われることなく自分なりに演じることができています。

◆大西利空、九条役・小雪との対峙シーンで掛けられた一言

― 大西さん演じる遥人について、ご自身ではどのような人物だと捉えられていますか?

大西:表裏がはっきりしている人だと思うので、演じる時は観ている方に分かりやすく伝わるような表現を意識しています。感情の起伏が激しいからこそ「これってどういう感情?」と疑問を抱くシーンが多く、監督としっかり話し合いながら臨みました。

― これまでの放送で具体的に疑問に思ったシーンはありましたか?

大西:遥人自身が母を追い詰めたにも関わらず、1話で母が亡くなった後に墓前で泣くシーンは「どういう涙?」と疑問に思いました。まだ母に恨みを持って嘘泣きとして泣いているのか、それとも普通に悲しくて泣いているのか分からず、台本を読んだ時も「何か裏があるのかな?」と疑っていましたが、監督に相談し、後悔が強いという遥人の今の思いを理解した上で演じることができました。九条先生(小雪)を斬りつける場面も、どういう気持ちを持って会いに行ったのか、心の中に溜め込んでいたものが崩れていったのか…1シーンの中でも色々な感情があるので、気持ちを整理しながらその時の感情を考えていました。

― お話にあった九条先生を斬りつけるシーンも印象的ですが、撮影はどのように臨まれましたか?

大西:アクションシーンは少しでもずれると危ないのでしっかりリハーサルをした上で撮影を行いました。また、どういうアクションをして、遥人がどういう感情なのかをしっかり固めていきました。小雪さんから「がっつり来ていいよ」と言っていただけたので、僕も何も気にせず、遥人として自分の思うように演じられました。

◆大西利空、俳優人生で直面した壁

― 劇中では、遥人の複雑な感情の起伏が描かれていますが、大西さんご自身は感情の起伏は大きいタイプですか?

大西:あまり変わらなくて本当にこのままかもしれないです(笑)。

― なにか悩みがあった時は、誰かに相談されますか?

大西:わりと相談せず、1人で解決している気がします。趣味が多いので、もしストレスや悩みがあった時は、好きなことをやって気持ちを紛らわしています。

― お仕事の中で困難や大きな壁に立ちはだかった時、どのように乗り越えられてきましたか?

大西:映画「水は海に向かって流れる」(2023年)の撮影の時、僕が気持ちを吐き出すところでセリフを言って涙が溢れるシーンがあったのですが、全く涙が出せない時がありました。今まであまりそういう経験がなかったので、自分にとって大きな壁でした。重要な役でしたし、台本をもらった時からそこが大事なシーンだという意識を持っていたので、もしかしたら意識しすぎていたのかなと思い、その日は台本も読まずお風呂に入ってリラックスした状態にして翌日再度撮影に臨んだら、ちゃんと演じ切ることができました。その時に、あまり気にしすぎるのも自分にプレッシャーをかけてしまうので良くないのだと実感しました。

◆大西利空、中学受験で反抗期 遥人の思いに共感も

― 遥人とは年齢も近いですが、大西さんは反抗期や親に強く当たってしまった経験はありますか?

大西:反抗期は小学校5年生頃からありました。僕も実際に中学受験をしたので、受験のストレスで親に嫌悪感を抱いてしまう気持ちがあり、遥人の思いに共感することや、日記に書いていた親への憎しみを理解できた部分があります。ただ僕は、自分から「この学校に行きたい!」と受験を希望したので、他の人よりストレスは少なかったと思うのですが、勉強があまり好きじゃなかったので大変なこともありました。でもなんとか頑張って乗り越えることができました。

― その後の進路では、芸能以外の道を考えたことはありませんでしたか?

大西:ずっとスポーツが好きだったので、スポーツ選手になりたいと思っていたこともあったのですが、この仕事をやっていくにつれて、どんどん楽しくなっていってずっと続けていきたいと思いました。

― 続けていきたいと特に強く感じたのはいつ頃でしょうか?

大西:小学校3、4年生の時に出演した映画「僕のおじさん」「金メダル男」(ともに2016年)の撮影が面白くて、特に「僕のおじさん」では、プライベートとしても撮影としても初めて海外に行って、色々な経験ができる楽しさを知りました。その頃から「この仕事をずっと続けていきたい」と明確に言葉にするようになりました。

◆大西利空の悲しみを乗り越えた方法

― 遥人役は難しい役どころだと思いますが、演じる上で難しかったことを教えてください。

大西:自分の行動によって間接的に親を殺してしまう役なので、経験できないですし想像することがすごく大変でした。特に2話の海辺のシーンで母と直接対峙するシーンは、一番感情を出すところで、母が自殺してしまう一番の原因にも繋がる場面だったので、すごく難しかったです。自分が殺したわけではなくても、自分が恨んでいた母が急に自殺したことで遥人が気付く部分もあると思ったので、しっかり台本を読み込んで考えました。

― 大西さんご自身も何かを失ったことや悲しみを経て気付いたことはありますか?またそれを乗り越えた方法を教えてください。

大西:昨年、祖父を亡くしたのですが、施設に入っていたためコロナ期間は会えないことが多くなってしまい、もっと遊びたかったし話したかったなと、仕方がないことだと思いつつも、すごく後悔しました。また、ペットもこれまでで犬3匹、ウサギ1羽を飼っていたのですが、亡くなってしまった時はすごく辛かったです。でもずっと悲しみ続けるのも良くないなと思っています。僕の家は、家族がそういうタイプなので、祖父が亡くなった時は、僕が最初に気持ちを切り替えるようにしていました。一番おじいちゃん子だったのでとても悲しかったですが、ずっと暗い雰囲気の状態は嫌ですし、死はみんな経験することなので、あまり落ち込みすぎないようにしていました。

◆大西利空、憧れの存在・自身の強みとは

― 「スカイキャッスル」の“お受験戦争”のように、オーディションなど“ここは負けられない”と思う瞬間がお仕事の中でも多く訪れると思いますが、これまでの人生の中でそのような場面はありましたか?

大西:もちろんオーディションに受かった時は嬉しいですが、僕はもし受からなかった時も「次がある」とあまり気にしないタイプかもしれません。もちろん受かるように精一杯頑張りますが、落ちてしまった時も「これも経験だ」と考えてリセットするので一つひとつ気に病むようなことはありません。そういった切り替えの早さは、ある意味自分の強みだと思います。

― 幼少期から芸能活動を始め、これまで多くの方と共演されてきたと思いますが、刺激を受けた方はいらっしゃいますか?

大西:本当に色々な方がいらっしゃるのですが、特に刺激を受けたのはドラマ「なるようになるさ。」(2013年、2014年)で共演した舘ひろしさんです。小学校1年生くらいの頃に2クールご一緒した際に、セリフへの向き合い方やアドリブの多さが凄まじく、僕自身も対応力が鍛えられて成長できた気がします。そして何より、人間としてもかっこよくて優しくて、すごく憧れています。

◆大西利空の夢を叶える秘訣

― モデルプレス読者の中には、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、大西さんの夢を叶える秘訣を教えてください。

大西:どれだけ楽しめるかどうか、が夢を叶える秘訣だと思います。僕はこの仕事を楽しいと思って続けているので、楽しいと思えなくなったら終わりかなと考えています。この仕事だけに限らないと思いますが、どんな夢も楽しむことが一番重要だと感じるので、仕事が楽しいと思える心こそ仕事を続けたいと思える理由であり、それはきっとどの仕事や夢にも共通して言えることだと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆大西利空(おおにし・りく)プロフィール

2006年5月16日生まれ、東京都出身。物心がつく前から事務所に所属し、子役として活躍。是枝裕和監督が手掛けた「ゴーイングマイホーム」(フジテレビ系/2012年)でドラマ初レギュラー出演。以降、多彩なジャンルの作品に出演し、ドラマ「そして、誰もいなくなった」(日本テレビ系/2016年)では藤原竜也、映画「3月のライオン」(2017年)では神木隆之介、「キングダム」(2019年)では山崎賢人(※「崎」は正式には「たつさき」)など、様々な俳優の幼少期を演じていることでも話題に。近年の主な出演作は、ドラマ「君と世界が終わる日に season4」(Hulu/2023年)、「どうする家康」(NHK/2023年)、「真夏のシンデレラ」(フジテレビ系/2023年)、「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜」(TBS系/2024年1月期)、映画「るろうに剣心 最終章 The Final」(2021年)、「水は海に向かって流れる」(2023年)など。

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