「なかなかできないよな。働いて給料をもらったら、自分のために使いたいだろうに……。若いのに家族の生活を支えていて、すごいと思うんだ」ユウトは感心したように話します。けれど私にはそのとき、夫の顔が曇ったのが分かりました。
ユナさんの家庭事情を聞いた私には、不安しかありませんでした。けれど夫は静観すると言ったので、私もそれに従うことを決めたのです。生活環境がまったく異なる相手とのお付き合いなど、どうせ長くは続かないだろうと……。
いくら相手の女性が素敵な人だったとしても、結婚となると「家庭環境」「価値観」「金銭感覚」がある程度似ていることが必要だと思うのです。「自分とは違うところ」に憧れを抱いてユナさんとお付き合いをはじめたユウトには、そんな現実は見えていないだろうと思いました。
ただそのときユウトは30才を過ぎていましたし、いい大人です。自分なりの価値観も築いているだろうし、さまざまな可能性も考えて行動していることでしょう。だからお付き合いに関しては口を出さずにいました。しかし「結婚」になると話は別なのです。悩みは深まるばかりでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子