マドリードGPの主催者は、F1の商業権保有者との契約に民間のパートナーを参加させる契約をひとつも確保できなかったため、同グランプリがF1世界選手権のカレンダーに追加されてから最初の数年間に大きな損失を被ることをすでに覚悟にしている。
2026年からのスペインGP新開催地として今年初めに盛大な発表が行われた、マドリードの国際展示場『IFEMA』が後援するこのプロジェクトは、軌道に乗るまでに長い時間が掛かった。しかしF1経営陣に近い情報筋によると、F1のサマーブレイク後に動きが加速し始めたという。
それ以前にIFEMAが主に取り組んでいたのは、非常に費用のかかるこの事業のパートナーを見つけることだったようだ。しかし、スペインの信頼できるウェブサイト『Soy Motor』の報道によると、現在IFEMAの経営陣は、プロジェクト全体に自力で資金を出さなければならないことを受け入れているという。
明らかに悪いニュースを前向きに評価しようと、同グループの財務責任者エングラシア・イダルゴは、関係者に向けてIFEMAが設定した「厳しい要件を満たすことができる資格のあるパートナーは存在しない」ことを認めた。
イダルゴはまた、「IFEMAがスペインGP開催権を獲得した後、民間投資家を誘致するために必要な要件を分析し評価する作業に移ったが、我々が従わなければならなかった基準を考慮すると、まずこの事業に伴うリスクを受け入れたいと考える企業が見つからなかった」と説明した。同氏によると、問題の一部は「F1との最初の契約を締結した後に追加した条項の数にあった」という。
しかしイダルゴは、今年2月にF1との契約を結んで以来、IFEMAがすでに被っている損失については他の事業でそれを補うだけの利益を上げているため、重要視していないと主張した。この財務責任者は「IFEMAの現在の活動から2024年と2025年に期待される利益は、この2年間のF1によるマイナスの結果を相殺し、残りの年はIFEMAに利益をもたらすだろう」と説明している。
つまり、マドリードで開催される新しいスペインGPのプロモーターは、F1カレンダーへの参加によって被る損失をカバーするために他の収入源に頼ることを意味し、それは同時にIFEMAの帳簿に大きな穴を開けるようなグランプリがなかった過去数年間と比べると、彼らの全体的な業績はパートナーにとってかなり魅力のないものになってしまうことを意味することになる。