永瀬廉×坂東龍汰×前田拳太郎、三者三様にきらめく魅力 声の共演で“すごさ”実感【インタビュー】

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2024年10月01日 07:00  ORICON NEWS

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オリジナル長編アニメーション最新作『ふれる。』(10月4日公開)に出演する(左から)坂東龍汰、永瀬廉、前田拳太郎  撮影:山崎美津留(※崎=たつさき)(C)ORICON NewS inc.
 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2013年)、『心が叫びたがってるんだ。』(15年)、『空の青さを知る人よ』(19年)“心揺さぶる”青春三部作を手がけた、長井龍雪監督、脚本・岡田麿里氏、キャラクターデザイン&総作画監督・田中将賀氏の3人が贈る、オリジナル長編アニメーション最新作『ふれる。』(10月4日公開)。メインキャストを務めるのは永瀬廉(25)、坂東龍汰(27)、前田拳太郎(25)。ともにオーディションで出演を射止めた3人がインタビューで今作を通して感じたそれぞれの印象、魅力について語った。

【画像】映画『ふれる。』劇中カット

 島で暮らす幼い頃の秋、諒、優太。島に伝わる不思議な生き物「ふれる」と出会った3人は「ふれる」が持つ力によって心を通わせ、いつしか親友になっていく。成長し島から上京した3人は、東京・高田馬場で「ふれる」とともに共同生活を送っている。3人の友情は永遠に続くと思われたが、新たな出会いや環境の変化は3人と1匹に少しずつ影響をもたらしていき…。

■等身大のキャラクターと物語に感情移入

――まず、この作品オーディションに挑戦した理由や受けてみての感想を教えてください。

永瀬:一度『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』で声優さんに挑戦させていただいて、すごく難しかったのですがまたやりたいなという気持ちがありました。このお話をいただいた時にすぐ「受けます」と返事をしました。でも当初予定してたオーディションの時間がだいぶ短めに終わったので“ハマらんかったんやろな…”と思っていたら、まさか受かっていてまずびっくりしました。

――では受けた段階では、あまり手応えはなかったのでしょうか。

永瀬:早めに終わっちゃったので。イメージと違ったのかな?みたいに思っていました。もちろんオーディションは頑張りましたけど、思いがけず受かっていたので、より驚きましたね。

坂東:僕は映画やドラマの現場で環境音の問題だったりで、後からアフレコで声を当て直す作業があったりするのですが、褒められることあって!「声の仕事ができるチャンスがあるならやってみた方がいいよ」と言われたこともあったのでいつかやってみたいなという気持ちが頭の片隅にありました。ちょうどオーディションの日に僕は北海道に帰省するためのチケットを取っていたのですが、迷わず「受けます」と答えました。チケットをキャンセルしてでもなんとしてもやりたいっていう気持ちでいきました。

――キャンセルして良かったですね。

坂東:もし決まっていなかったらかなりたぶん“チーン”ってなったと思います(笑)。北海道に帰省して実家にいる時にマネージャーさんから電話かかってきて「受かりました」と知らされてすぐ家族に報告しました。

前田:このオーディションのお話をいただいた時に、このお三方の新作が出る、と聞き今までの作品も全部観ていたので「やりたい!」と思って今回オーディションに挑戦させていただいて。僕もオーディションでは“じゃあお願いします”“はい終わりです”“ありがとうございました”みたいな感じですぐに終わっちゃって…。もっと今までの作品の話とかめっちゃアピールしようと思っていたのに、そういう話は一切なくアフレコだけやって終わりのオーディションだった。「あんまり刺さってないかな」と思っていたんですけど、でもオーディション自体は僕の中ではすごくうまくいった気がしていたので、これはもう信じて連絡を待つしかないと。待っていたら後日連絡をいただきました。

――皆さん3人一緒にアフレコされたと伺っているんですけれども、現場の雰囲気も含めてこの人の“ここがすごい”と思ったところを教えてください。

永瀬:諒は普段しゃべっている感じとドスをきかせる感じの切り替え、あとはいつも3人をこうしてまとめていたんだろうなって伝わってきたし、優太は明るいけど打たれ弱いところもある。ちょっと感情が出ちゃうところやキレ方とかも優太っぽいなとすごくわかったので、一緒に演じていてもやっぱり楽しかったですね。

前田:お2人とアフレコをやってみて永瀬さんは、僕らをお芝居で引っ張っていってくれる感じがすごくあって、僕はついていこうっていう気持ちでやらせていただきました。龍汰くんは雰囲気を作ってくれるというか全体をまとめてくれるようなお芝居。僕は2人に引っ張ってもらって雰囲気作ってもらって、乗っかっていくみたいな。

――永瀬さんは“引っ張っていこう”ってしていたわけではなく結果的にそうなったのでしょうか。

永瀬:そうですね、引っ張れたらいいなと思っていたんですけど、別にそこまで意識してなかったです。でもそう言ってくれたのはすごくうれしい。引っ張られていたんだって安心しました。

坂東:僕が自由にやれたのは、2人が秋と優太として自由にやってくれていたからだと思います。(諒のように3人を)まとめているつもりも僕は全然なくて、むしろはっちゃけるというか…。

前田:でもその雰囲気作りをしてくれるよね。

坂東:永瀬はビジュアルもまさにもう秋。似ている感じはありますよね。そこにあの声のトーンで当ててくるのはさすがって感じでしたね。

永瀬:ありがたいですね。

坂東:秋は手がすぐ出ちゃったり、カッとなりやすかったりするキャラクターなんですけど、そのキャラクターに儚(はかな)さ、憂いみたいなものを声の中に秘めることができるのは、廉の声の質の良さや優しさが出ているからなんだろうなってすごく思いました。優太はキャラクターを見た時、誰が優太を演じられるんだろう…と。結構小柄な人を想像していて、声も特徴のある俳優さんなのかなと思って想像していたら『え!前ちゃん!あの前田拳太郎だよな?』って、身長も高いし、声も結構しっかりしてるイメージだったので、どんなふうに演じるんだろうと思ってフタを開けたら本当にアニメ好きでその愛もとっても強かった。

――演じる役柄でご自身が一番共感できるところ、できないところはそれぞれどこでしたか。

永瀬:役に対して共感できないことは、すぐ手が出るってことですね。

坂東:確かにねえ。

永瀬:でも「ふれる」がもしいたら…と考えると、やっぱり「ふれる」に頼っちゃって伝えたいことも触って伝えたくなる気持ちもわかります。ただ、そこから変わろうとする3人は本当にこのお三方が作る世界の良さがぎゅっと詰まっている。ファンタジーではありながら、ちゃんと的確に大事なことを見ている人に訴えかけてくる感じがある。友情って誰しも、つながりがある感情や気持ちだと思うで、(3人の)そこの共感力がすごく高いなっていうのは思いました。

前田:優太は3人でいる時に相手がこう思っているんだろうなって自分の中で決めちゃう。僕も友達とかに対して僕のこと、こう思っているのかな?と考えちゃったりすると自分でモヤモヤしちゃうんですけど。相手の思っていることをすごく気にしちゃうところとか似ているかな。

坂東:僕も北海道の田舎から上京して、必死に不器用ながらも役者を目指してきたので、色々なものと向き合いながら生きているところは諒と共感する部分がありました。僕は体育会系では全然ないんですけど、諒の熱さみたいなところは僕も大事にして生きている部分なので、そこも共感できましたね。昔から仲が良い友達って、ずっと一緒にいることによって見たくない部分も見えてきちゃうこともあるだろうし、人と関わることの難しさみたいなものを乗り越える彼らの姿にすごく感情移入できるんじゃないかな。

■今作を通じて感じた言葉によるコミュニケーションの大切さ「今や過去の関係を見直す事がある」

――ご自身は自分の気持ちを言葉にするのが得意な方ですか。それとも文章のほうが楽でしょうか。

永瀬:文章もからっきしですね。LINEとかすっごい苦手です。他愛もないことだったら全然良いんですけど、重要なことってなると…打ってるのが面倒になって文も適当になってっちゃうから苦手なんですよ。

――電話だったり、実際に言葉は口に出した方が…。

永瀬:僕は伝えやすいですね。

前田:僕は、どっちもあんまり得意じゃないです。

坂東:わかる。ネガティブなことってやっぱり伝えづらくない?俺は溜めちゃうことが多いな。ハッピーなことはすぐ伝えられるけど、嫌だったことってはっきり言えないなあ。

前田:自分の中で消化しますね。

――言葉にすることに躊躇したり、はっきり言うのは怖いなと思うことを相手に伝えた経験はありますか。

坂東:ある?ブチギレたりとか(笑)

永瀬:僕は怒らないんだよね。イライラとかするけど怒ったりしない。

坂東:オリンピック周期でも来ない?

永瀬:うん、怒らない。何年も怒ってない。面倒くさいとかイライラはあるけど…。他人に怒る方が疲れると思っちゃうから、どうでもよくなるかな。

坂東:最近は逆に怒ってくれる友達とかいるとすごく大事にしなきゃって思うね。ちゃんと向き合ってくれる人って少ないし…。

前田:怒るのって大変ですもんね。

坂東:僕は4年に1回いきますから。大爆発!

永瀬:でも、そろそろ僕も鳴子くん(坂東)には怒りそう。もう今日だけでも…すぐ嘘つくし(笑)

坂東 嘘つかないし!(笑)

――すでに仲の良いかけあいがありましたが、共演されてみてお互いの声優としての印象はいかがですか。

永瀬:坂東は変わってなくて、前田くんは、写真見てちょっとやんちゃ系なのかなとか騒がしい系なのかな、と思ったら全然そんなことがない。静かで落ち着いてる雰囲気を持ってる人。そこは第一印象と真逆だったかもしれないです。

坂東:めっちゃわかるかも!

永瀬:でしょう?なんかちょっとやんちゃっぽいよね。

坂東:イケイケ系かと思ってた(笑)

――坂東さんの“変わらなさ”はどこに感じましたか。

永瀬:もうずっと明るいし、元気だし、うーん…バカだし(笑)

坂東:せめて“役者バカ”とかつけてくれない!?(笑)

永瀬:だからそれがいい意味で、あ〜鳴子くんの良さでもあり武器でもあるんだなって前回思っていた。久しぶりに会ってみるとそういう部分は変わってなかったから終始、安心感のある人でしたね。

――坂東さんはいかがでしたか。

坂東:廉は、めっちゃ変わってました。まず顔つきが全然違う。

永瀬:顔つき?

坂東:なんだろう、なにかがスッと取れてふわっと軽くなったような感じがします。抽象的ですいません(笑)そんな感じがしたんですよ。なんかパッとね。あと前より人当たりが優しくなった気がする…。

永瀬:気付いてたんだ?だから俺も隠すようになったのよ。隠すようにはなった。それぐらいやっぱ大人にはなりました。

坂東:隠すっていうな!(笑)。マエケンはもう本当にピュア!誠実で心が本当に優しい人なんだろうな。会った瞬間に思いました。

前田:ありがとうございます(笑)。龍汰くんは共通の知人が多く、結構話を聞いていた通り。すごく優しい、すごく面白い。めっちゃしゃべるし、すぐ仲良くなれるよみたいな感じで言われていたら、聞いた通り、そのまんまが来た(笑)。なんならちょっとプラスされたぐらいかも。だから最初から初めて会った感じはしなかったです。永瀬さんは今回、初めましてですけどずっとテレビで見る機会も多くて『どういう方なんだろう』といろいろ想像したりしてたんですけど、会ってみると気遣いができる人。さっきも僕が来る時も椅子引いてくれたり今も自然と龍汰くんにお水を渡してあげたり。細かい気遣いが常にできる人なんだなって印象です。

永瀬:なんかうれしいですね。怠らないようにしたいと思います(笑)。『椅子、引こう』『水を取ってあげよう』と思って…意識してるのかわからないんですけど?

坂東:男子にもできるのすごいよね。本物だね。

前田:これがKing & Princeか!

坂東:見習お!

――最後に見どころをお願いします。

永瀬:絵のきれいさ、音楽も良いし、「ふれる」と生活していくことで上京した3人の生活がどう変化していくのか。3人だけかと思ったら異性も関係に入ってきて、揺れ動く5人とそれぞれの奥深いところに振れていく。3人の変化が、見やすくより伝わるように描かれているので楽しみにしてください。

坂東:「ふれる」との関係性ですね。ペットを飼っている人や、何かを育てている人にとっても奥深く考えさせられる作品になっていると思います。「ふれる」と3人の関係にリンクするとものすごく泣けます。

前田:さっき龍汰くんが「ふれる」の話をしてくれたんですけど…。僕も幼なじみと仲良いからその友情には共感できる。

坂東:脚本を読んでいて、昔よくケンカしていた友達のことを思い出してそのときの感情がよみがえりました。あの時こういえばよかったなとか考えちゃったんですよね。

前田:わかります。あの時、こうしたらよかったなって…。

坂東:この作品を見ていると、点と点がつながる感じがする。いろいろなキャラクターのセリフが記憶とつながって、今や過去の関係を見直す事があると思います。

前田:今日こう言いたかったなと思うことも、逆に言っちゃったな…とか、伝え方も大事だなと。ちゃんと言葉にして伝えるコミュニケーションも大事にしなければいけないなとこの作品を通して感じました

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