原発事故、対応間違っていない=立民・菅直人元首相―引退議員に聞く

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2024年10月11日 08:02  時事通信社

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時事通信社

インタビューに応じる立憲民主党の菅直人元首相=8日、国会内
 ―44年の政治家人生を振り返って。

 精いっぱいやれることはやった。非常に印象に残っているのは、(1996年に厚相として取り組んだ)薬害エイズ問題や、(2011年に首相として対応した東日本大震災での)東京電力福島第1原発事故だ。私なりに必要なことができた。

 ―引退理由は。

 基本的に年齢の問題だ。もう78歳。そういう時期かなと(思った)。

 ―震災直後に第1原発や東電本社を訪問したことには批判もあった。

 間違っていなかったと思う。私の行動スタイルは現場主義的なところがある。事態を把握し、対応を取る上で、非常に効果的だった。関東地方が汚染され、住めなくなる最悪の事態を、そこまで拡大せず封じ込めた。危機を何とか回避できた。

 ―自民党政権で原発回帰の動きも。

 原発ではなく再生可能エネルギーで必要な電力を供給できる。そういう方向に、今後の政権もしっかり取り組んでもらいたい。

 ―10年参院選の際、首相として消費税増税に言及し、民主党は大敗した。

 あの時の発言が、やや私自身の思いを超えて受け止められた。今でも反省している。税の問題は、野党として政権をひっくり返す大きな政策的ポイントだから、しっかり取り組んでもらいたい。

 ―政権交代の機運をどう見るか。

 引退する身だから、具体的にこうしろ、ああしろとアドバイスするのは言い過ぎだと思うが、今は日本の政治にとって非常に良くない状況だ。もう一度、政権交代を実現してもらいたい。政権交代が少なくとも何年かに1回は起きる形が民主主義の在り方として望ましい。

 ―自民党が派閥裏金事件で批判を受ける一方、立憲民主党の支持率はあまり上がっていない。

 批判だけではなく、どうすべきかをもっと強く国民に訴える(べきだ)。今の自民党は結局、お金まみれだ。自民党の体質について、もっと厳しく、国民に分かりやすく指摘していく必要がある。

 ―野党連携を巡り、共産党との距離感をどう考えるか。

 政策的に共通する部分と、やや違う部分があるから、それは区別しなければいけないが、私は最初から排除する発想はない。

 ―今後の活動は。

 当面は自分の後継候補に議席を引き継ぐのが最大の仕事だ。

 ―今後の日本政治に求めることは。

 もっと女性の政治家が増えるべきだ。男女比が五分五分ぐらいになってほしい。それが本来の民主主義における男女平等社会の姿だ。

 ◇菅 直人氏(かん・なおと)東工大卒。厚相、副総理兼財務相、首相。東京18区、当選14回。78歳。 

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