WEC世界耐久選手権最終戦翌日に行われるルーキーテストで、マンタイポルシェ911 GT3 Rをドライブする予定のミシェル・ガッティンは、「秘密」を発見できることに興奮していると語った。今回のテストは、彼女が所属する女性チーム『アイアン・デイムス』が2025年にポルシェと手を組む前兆となるかもしれない。
■「レベルが違いすぎた」マンタイのファクトリー
先週発表されたエントリーリストで明らかになったように、11月3日に行われる1デイテストで、ガッティンはジリアン・ヘンリオン、そしてアイアン・デイムスのメンバーであるセリア・マルタンとともに、LMGT3のタイトルを獲得したマンタイ・ピュアレクシングの92号車ポルシェ911 GT3 Rをドライブする。
これは、今季のWECをランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2で戦ってきたこの女性ラインアップチームにとっての厳しいシーズンを経て、アイアン・デイムスとマンタイが2025年に手を組む準備ができているという、強い憶測がされている中での出来事だ。
バーレーンでの第8戦を前にした記者会見で、ガッティンはマンタイとのテストは「来年に向けてエキサイティングなものになるかもしれない」と語ったが、アイアン・デイムスがマンタイと提携するかどうかについては明言を避けた。
ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMGT3クラスで、WECのレギュラーチームメイトであるサラ・ボビーおよびラヘル・フレイとともに911 GT3 Rをドライブするガッティングにとって、ポルシェは目新しいものではない。また、アイアン・デイムスは2023シーズンはポルシェのLMGTE車両でWECを戦っていた。
たが、デンマーク籍のガッティンは、今年のLMGT3でマンタイが常勝チームとなった理由を知りたいと明かした。
「ずっとトップチームのひとつだったマンタイで、テストする機会を得られたことは光栄だ」と彼女はSportscar365に語った。
「私たちは先週、今回のテストのシートを作るためにファクトリーを訪問したけど、レベルが違いすぎた」
「アイアン・リンクスで6年間レースをすることができて幸運だったけど、他のことに挑戦するのもワクワクする。それは異なる考え方であり、異なる仕事のやり方よ」
「彼らの秘密のいくつかを知り、彼らが今年、他のすべてのチームと比べてどのように大きな違いを生み出したのかを、知りたいと思っている」
アイアン・デイムスの2025年の計画についてさらに質問されたガッティングは、「願わくばテストがうまくいき、それが来年に向けた何かにつながるだろう」と付け加えている。
「結局のところ、パフォーマンスとストップウォッチが示すものが重要。アイアン・デイムスでは、私たちが単なるブランドではないことを示してきた。過去2年間、私たちは(WECとELMSで(ランボルギーニとポルシェの両方と関わってきた」
「私たちはまた、アイアン・リンクスやプロトンとも関わってきたので、すべてのチャンスに対してオープンな状態だけど、まだ何も決まっていない」
ブロンズにレーティングされるマーティンがマンタイ・ポルシェを試すチャンスは、ボビーが2025年にシルバーへとグレードアップれる見込みがある中でやってきたものだ。
「サラのレーティングについては、コメントしたくない。だけど、セリアはブロンズであることは確かだし、マンタイのテストはどのドライバーにとっても素晴らしい機会だ」と彼女は語った。
「私は彼女とマシンをシェアしたことはないけど、彼女は今年ミシュラン・ル・マン・カップにおけるアイアン・デイムスのプログラムに参加し、私たちは一緒にとても楽しんでいる。彼女は来年クルーの一員になるかもしれない。彼女は、このプログラムにとてもよく合っている」
■ランボルギーニの信頼性に悩まされた2024年
また、ガッティングは記者会見で、彼女とアイアン・デイムスのチームメイトたちが、2024年のシーズン中に経験した不満についても語った。
2回のリタイアとその他の数々の問題が重なり、今週末の最終戦を前にガッティンとボビーはLMGT3ドライバーズランキングで7位に後退している。
「今年の問題は、主にクルマの信頼性にあった」とガッティンは説明した。
「ピットストップでの小さな問題、ホイールナットが外せないこと、時間のロスが多すぎることなど、予想外のトラブルがあった」
「サンパウロでは、小さなゴムのブランドが壊れ、予想外の理由でリタイアしなければならなかった」
「姉妹車であるアイアン・リンクスの60号車は、1年を通して問題なく順調に走っていたけど、どういうわけか不運と信頼性の問題は私たちの車に付きまとった」
「競争が激しいこのようなチャンピオンシップでは、ピットストップが遅かったりリタイアがあったりすると、チャンピオンシップを争うのは不可能だ」