(左から)パーソナリティの小山薫堂、渡辺謙さん(PC画面)、宇賀なつみ
◆被災地・気仙沼は第二の故郷?
この日、渡辺さんは宮城県・気仙沼市に居ました。なぜなら、この収録の翌日、自身が“繋ぐ”をコンセプトに2013年に作ったカフェ「K-port」で開催する朝食会に参加するためでした。
なぜこの地にカフェを作ったのかというと「東日本大震災のあとに、釜石や気仙沼、福島だったりを回らせていただいたんですけど、それとは別に個人的に物資を持って22ヵ所の避難所を巡る旅をしていたんです。何回かうかがううちに、だんだんと友達や顔見知りができてきて。『いま一番何をしてほしい? 何が足りない?』と聞いたときに、『人が集える場所がもうないんだ』と言っていたので、そういうものを作れたらいいなと思って。とにかく何かを作ろうというなかで、みんなが毎日ちょっとでも穏やかな時間を過ごせる場所が作れたらいいなと思って、“カフェをやろうか”ということに」と渡辺さん。ここは、60〜70人規模でライブもできる空間となっていて「いろんな感じで使っていただいています」と話します。
そんな経緯で2013年にオープンして以降、渡辺さんはほぼ毎日、FAXでこのカフェに手紙を送っており「外国で舞台をやったり、映画を撮っているときも、自分で書いたものを写真に撮って送って、それをプリントして手書きで送っています」と打ち明けます。
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渡辺さんは、「最初の頃は『あいつまた来たぜ』みたいな感じだったんですけど(苦笑)、今は『あ、おかえりなさい』みたいな感じです。肩書きとかそういうものを脱ぎ捨てて、まったくの個人として来れるというか……そういう場所にはなりましたね」と実感を語ります。
◆クリント・イーストウッドの“人間的総合力”に脱帽
さらに小山が「今までいろいろな世界のクリエイターや、トム・クルーズをはじめとするさまざまな役者さんとお仕事をされてきたと思うんですけど、人生のなかで自分にとって影響を与えた方や、『先生』と呼びたいなと思うような方はいましたか?」と尋ねると、渡辺さんはクリント・イーストウッドを挙げます。
「あれだけ自然体で、彼自身がものすごく何かをやりたいということではないのに、自然といい作品が彼のもとに集まってくるんですよね。それを、それこそ淡々とこなしていくと、とてもいいものに仕上がっていく。もちろん彼1人ではなくて、彼を支えているスタッフが大勢いるんですけど、それもやっぱり彼の人間力の結果というか、総合力というのかな。人間的総合力みたいなところでいうと、(先生は)クリントかもしれないですね」とその理由について言及します。
そして、さまざまな作品のオファーが届くなかで、“やるか・やらないか”の基準については「単純に心が動くかどうかだと思うんです」と渡辺さん。「読んだときに、“あぁ、いいなあ”と思えればどこの国であろうが、“やろう!”と思うんですよね」と言います。
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「才能ある方は日本にもたくさんいらっしゃいますし、俳優も決して遜色ないと僕は思っているんですけど。先にあるマーケットの大きさみたいなものが、比重がちょっと変わってくるんですよね、作品自体に。そういう意味では、真田(広之)くんがああやって(ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」で)賞を獲って、ものすごく可能性を広げてくれているので、日本のマーケットというか、配信系は特に日本の作品でもマーケットがだんだん広がっている感じはあります」と自身の見解を示します。
気仙沼からリモート出演中の渡辺謙さん
また、この日は、当番組のテーマである“手紙”にちなんで、“今、思いを伝えたい人”に宛てた手紙を渡辺さんに書いてきていただきました。渡辺さんは、「今、(手紙を)書くならこのタイミングしかないなと思って書きました」と前置き、“石川・能登地方の人たち”に向けて書いた手紙を、自ら朗読する場面もありました。その手紙の内容は、ぜひradikoでお聴きください(※11月4日(月・振休)まで聴取可能)。
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10月27日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年11月4日(月・振休) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
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