10月1日にNTTドコモがオンライン専用プランである「ahamo」のギガ容量を20GB→30GBに増量することを発表。これがきっかけになり、キャリア系のサブブランドが続々と新料金プランを投入する事態に! オトク度が大幅アップしつつ、キャンペーンも強力すぎる各ブランドの新料金プランを解説します!
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■オトク要素がアップでキャンペーンも熱い!
10月1日にNTTドコモのオンライン加入専用の通信料金プラン「ahamo」が内容改定を発表し、お値段そのままでギガ容量をアップするというステルス値下げを実現。これに続いて、各ブランドも続々と新プランを発表し、ユーザー的には大歓迎の実質値下げバトルがスタート。
強力なキャンペーンを充実させつつ、スペック的にも注目要素が多い新プランをITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんに解説してもらいます。
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――先陣を切ったahamoはどういった特徴のある料金プランなのでしょうか?
法林 オンライン加入専用プランとして2021年からサービスを開始しました。これまではデータ通信容量20GBで月額2970円でしたが、10月1日に改定され30GBで月額2970円。そしてahamoの特徴として海外ローミングでのデータ通信も手続きなくそのまま使えることがあります。
今回の改定で、海外ローミングのデータ通信容量も30GBとなり、1週間程度の海外旅行ではモバイルWi−Fiルーターをレンタルする必要もありません。大容量の海外ローミングはahamoならではのサービスでしょう。
また、国内通話は1回5分まで無料で、格安SIMことMVNOを脅かすほどの価格設定となりました。
――これを受けて各ブランドも続々と新料金プランを発表していますよね。
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法林 「UQモバイル」は「コミコミプラン(20GB/3278円)」を提供していましたが、新料金プランとして「コミコミプラン+」の受け付けを11月12日からスタートします。こちらは価格据え置きでデータ通信容量を33GBに増量。さらに国内通話1回10分まで無料です。
――これは既存ユーザー的にもありがたい改定!
法林 ただし、既存のUQモバイルユーザーには要注意事項があります。コミコミプラン+は新料金プランとなり、例えば既存ユーザーがコミコミプランを契約している場合はプラン変更の手続きを行なわないと適用されません。
コミコミプランのままですと、データ通信容量はアップしないので要注意です!
――UQと同じKDDIグループの「povo2.0」にも新オトク要素があるとか?
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法林 povo2.0はトッピングと呼ばれるデータ通信容量プランなどをユーザーが自由に組み合わせて利用できるのが特徴です。10月18日から「データ追加360GB(有効期間365日/2万6400円)」というトッピングが新登場しました。
――2万円オーバーはちょっとお高くないですか?
法林 データ通信容量と料金を12ヵ月で割ると、月30GBで2200円。実は業界最安レベルです。さらに、「1年間トッピング デビュー割」というキャンペーンがあり、年額2万6400円から10%のau PAY残高を還元。
なので、実質月額1980円で30GBを利用できます。ただし、トッピングは料金先払いとなり、365日間でデータ通信容量をしっかり消費しないと損することになりますので、そこは要注意ですね。
――ソフトバンク系のブランドでオトクなプランは?
法林 11月1日から「LINEMO」の「LINEMOベストプランV」がスタートしています。こちらは月額2970円で30GB、そして国内通話は1回5分まで無料というahamoを意識した料金プランになっています。
LINEMOはLINEのメッセージや音声、ビデオ通話でデータ通信容量を消費しないのが特徴。仮に30GBを消費した場合でも、LINEの通信速度が制限されることもありませんので、LINEヘビーユーザーにオススメです。
――今月から「ワイモバイル」もオトク要素がアップしたそうですが、こちらは?
法林 既存の料金プランである「シンプル2 M/L」が対象となる「データ増量オプション」の内容が改定されました。これにより最安で月額2178円(8ヵ月目以降は2728円)で毎月30GB利用できますが、「PayPayカード割」「おうち割 光セット」への加入条件があるので、そこは必ず確認しましょう。
ただ、ワイモバイルは現在10周年キャンペーン中で、MNPなら最大で3万6000円相当のPayPayポイント還元のキャンペーンを実施しています。ahamoやLINEMOもキャンペーンが強力で、各ブランド間で熾烈(しれつ)な競争が行なわれています。
――ところで今回、新料金プランや改定を行なったのはキャリア本体ではなく、サブブランドばかり。キャリアはもうオトクじゃない?
法林 キャリアをオトクに活用できるユーザーには条件があります。データ通信容量は無制限を希望、家族で加入、キャリアの提供する光回線や電気・ガスを同時に契約したり、Netflixやアマプラなどのエンタメサービスにキャリア経由で加入することで大幅な割引となります。
しかし、これらのサービスを必要としないユーザーにとってはサブブランドのほうがオトク要素は大きく、キャリアでもサブブランドへの移行を勧めているのが現況です。
――今回、新料金プラン競争が過熱した背景は?
法林 若者のデータ通信量の増加です。YouTubeやTikTokだけでなく、最近ではTVerも視聴時間を増やし、20GBでは容量不足となっていました。
そこでahamoが容量を増量し、各ブランドが一気に追随したのです。そして各ブランドの新料金プランや改定が出そろった中、次に注目なのはMVNOです。価格的なアドバンテージがなくなっていますから、今後はよりオトクな新料金プランの発表に期待できます。
――MNPの検討時はMVNOのチェックもマストですよ!
取材・文/直井裕太