タイガー魔法瓶が開発した「斜め型ミキサー TIGER EDGE」(以下、斜め型ミキサー)が好調だ。刃を斜め45度に傾けたことで切削力と攪拌力を高めたミキサーで「これまでにない滑らかな舌触りを実現」したとうたっている。どのような市場を狙っているのか、タイガー魔法瓶に聞いた。
【画像】「斜め型ミキサー」(4万9800円)の見た目、性能、使用イメージ
●伸長するプレミアムミキサー市場
斜め型ミキサーは、タイガー魔法瓶が「プレミアムミキサー」市場へ参入するべく開発した商品。
担当者によると、7月の発売以降売れ行きは計画通り推移しており、当初の想定販路だった家電量販店だけでなく、百貨店やふるさと納税返礼品など展開先を徐々に拡大しているという。
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同社の調べによると世界のミキサー市場は伸長しており、日本でも3万円以上の高価格帯ミキサーの平均価格が直近5年で2万7000円上がっているという。
「日本のミキサーの平均単価は1万円前後であることを考えると、著しい金額の伸びであり、高価格帯のミキサーが市場で受け入れられている兆候があります」(担当者)
●127台の試作品を作製
これまでも炊飯器など高級調理家電を販売してきたタイガー魔法瓶は、ミキサー市場においてもプレミアムラインの需要が高まると仮説を立て、本製品を企画。「コロナ禍を経てウェルビーイングへの関心が高まり、食生活に気を付けたり、SDGsやフードロスを意識したりする消費者が増えています。そのため、手軽においしく野菜や果物を摂取する方法が求められていると考えました」(担当者)
こうしたニーズに対応するため、タイガー魔法瓶は斜め型ミキサーを使ってフードロス削減につなげられるレシピを、公式Webサイトで公開している。
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開発段階ではミキサーの刃の最適な角度を模索する上で、127台を超える試作品を作成したという。刃を斜めにしたことで切削力が高まり、りんごやアボカドも丸ごと粉砕できるようになったほか、従来品では非対応であることが多い氷や冷凍フルーツも切削可能だという。事前に食材を切る下処理工程を省けるようになり、時短のニーズにも応えている。
発売後、購入した顧客からは性能や手入れのしやすさに満足する声が多く届いた一方で、「一人暮らし用のコンパクトなものも欲しい」と改善へのリクエストもあったという。高価格帯の調理家電市場で、どこまで需要を捉えられるか。
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