キック・ザウバー/アウディは、2025年以降のドライバーとして、FIA F2の現ポイントリーダーである20歳のガブリエル・ボルトレートと契約したことを発表、現在レースドライバーを務めるバルテリ・ボッタスと周冠宇が今季末でチームから離れることが確定した。ザウバー・モータースポーツCOO & CTOのマッティア・ビノットが、一時は最有力候補とみなされていたボッタスではなく、ルーキーであるボルトレートと契約するに至った経緯について語った。
11月6日にドライバー発表を行った際に、ビノットは、ベテランのボッタスとは長い話し合いを行っていたと認めた。
「バルテリとは本当に良いコミュニケーションをとった。旅、旅の長さ、次のシーズンに直面するかもしれない困難について何度も話し合った」
「だが、たくさんのことを考えた末に、私は、我々のチームには若いドライバーが必要かもしれないという結論に至った」
「彼(ボッタス)との間には、状況、事実、そして必要なことについて、合意とまではいかなくても本当に相互の理解があった」
ビノットはボッタスに敬意を表し「間違いなく彼は非常に有力な候補者だった。彼がとても速いことは知っている。その速さを彼は証明してきた。今も身体的なコンディションが非常に良好だ」と述べた。
「そのため、簡単な決断ではなかったが、それでも結論を出して決断を下さなければならない時がある」
2025年F1には、ボルトレートの他にも、オリバー・ベアマン、アンドレア・キミ・アントネッリ、ジャック・ドゥーハンといった若手がレギュラードライバーとして加わる。
ビノットは、才能ある若手ドライバーが増えているのは喜ばしいことであると語った。
「過去2、3、4シーズンの間に、非常に強力な若手ドライバーが出てきた。F1を見れば、今どれだけ若くて才能があるドライバーが多いかが分かる。素晴らしいことであり、F1にとってだけでなく、モータースポーツ全体にとって非常に良いことだ」
ザウバー/アウディは、若手ドライバーを起用する最近のトレンドに沿った形になる。ビノットは、ボルトレートの仕事ぶりを詳細に観察してきた結果、彼の才能に感銘を受け、起用を決断したと語った。
「私は、ドライバーを決定するにあたり、若いドライバーたちが良い成績を出すのを待っていたわけではない」とビノットは言う。
「これまでガブリエルのキャリアを観察していた。特にここ数カ月、数週間はより一層集中して見ていた。彼が良いレースをしているのを見て、その速さ、潜在能力、さらには成長し向上する能力に感銘を受けた。ルーキーのなかで、最も才能があり、高いポテンシャルを持つドライバーのひとりだ」
「アウディにとって、迷う必要はなかった。『彼で行こう』という感じだった。若いドライバーは、ある種の確信と答えをもたらす。彼の獲得については、『いつ迎えるか』というだけの問題だった。遅かれ早かれ我々がガブリエルを選ぶことは明らかだった。いずれ彼を選択することは間違いなかっただろう」