手のひらサイズになった「Mac mini」も登場! 新しいM4搭載Macはどこが変わった?

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2024年11月07日 23:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
アップルが自社で設計するApple M4チップのファミリーを「M4 Pro」と「M4 Max」にも拡大しました。そして11月8日には、M4チップを載せた新しいMacが発売を迎えます。そのなかから今回は、デザインが大きく変わったMac miniを中心に、オールインワンデスクトップのiMacとモバイルノートのMacBook Proの魅力に迫ります。


一段と小さくなったmini。省スペース設置に最適



Mac miniは、2023年2月に発売したM2、M2 Pro搭載機以来のアップデートです。価格は、M4チップ搭載機が94,800円から、M4 Proチップ搭載機が218,800円から。それぞれ、豊富なカスタマイズのためのオプションが選べます。スタンダードなM4チップ搭載機は、メインメモリの最低容量がM2搭載機の倍となる16GBになったことも嬉しい進化のポイントです。


M4搭載Mac miniは、本体の高さが約1.42cmほど大きくなりました。代わりに、縦横サイズが7cmずつコンパクトになっています。デスクトップのスペースが有効活用できます。


電源ボタンが本体の背面から底面に移動しています。Mac miniをヨコ向きに置くと、確かに電源を投入する度に本体を少し浮かせなければならないので面倒ですが、タテ置きにすると今まで以上にボタンの位置が見やすく、押しやすくなります。


コンパクトなMac miniは、ケーブルの引き回し方などを工夫すれば、デスクトップの上により目立たないように「隠して置く」こともできるミニPCです。本体+ディスプレイ+マウスにキーボードが一気に揃うオールインワンのiMacの魅力に対して、Mac miniの醍醐味はユーザーが好みや用途に応じてさまざまな周辺機器とのコーディネートが楽しめることです。Macにデザインを寄せたボーズの新しいBluetoothスピーカー「Bose SoundLink Home speaker」を側に置いてみると、デスクトップが華やかになりました。



さらに、M4搭載Mac miniはフロント側に2つのUSB-Cポートと3.5mmヘッドホンジャックを設けました。Mac miniとして初の試みです。筆者は、よくMacで音楽を聴いたり映画を観るので、フロント側で手軽にヘッドホンを抜き差ししたり、ハイレゾ対応のUSBヘッドホンアンプの着脱ができるようになった「オーディオが楽しいMac mini」に物欲をそそられています。


Apple IntelligenceやiPhone連携が快適に使える



M2、M1世代のAppleシリコンに対して、M4チップはCPUとGPUのパフォーマンスが大幅に向上しています。AI系のタスク処理に特化するNeural Engineも強化しました。



M1以降を搭載するMacは、macOS 15.1以降のOSを導入するとApple Intelligenceが使えます。使える機能は変わりませんが、最新M4チップを搭載するMacの方が処理は速く、安定することが期待できます。



今回、筆者はM4 Proをベースに、14コアCPU/20コアGPUのチップと48GBユニファイドメモリ、1TB SSDに仕様をカスタマイズした実機を試すことができました。



macOS 15からの新機能である「iPhoneミラーリング」を起動して、iPhone 16 Proの動画編集アプリ「CapCut」によるビデオ素材の切り貼りを試しました。ミラーリングしているiPhoneの画面上でスムーズに作業ができます。一点、iPhoneアプリ上のテキスト変換操作がもたついたり、英語キーボードの入力が効かなかったりと、iPhoneミラーリングのアプリ側で動作改善の余地は若干見られました。それ以外の部分では、MacとiPhoneによる機器連携は安定していると感じます。


Apple Intelligenceは、macOS上でデバイスとSiriの言語を英語(アメリカ)に設定すれば日本国内でも使えます。筆者の場合は、Apple Intelligenceのメールの要約機能により、受信した英文の長いメールを要約してくれる機能を活用しています。メールに添付されている製品資料のPDFなどのドキュメントファイルも、Apple Intelligenceの「作文ツール」で要約すれば、大まかな内容がつかみやすくなります。「作文ツール」には、テキストの言い回しを瞬時に書き換えてくれるリライト機能もあります。日本語でその実力が試せる機会が楽しみです。



「写真」アプリには、保存した写真に写り込んだ不要な被写体をAI画像処理で瞬時に消す「クリーンアップツール」があります。Apple Intelligenceによる被写体判定と、オブジェクトを消去した後の画像の“均し方”は優秀だと思います。Apple Intelligenceを導入したiPhoneで、クリーンアップツールを使って写真を整えてから、AI機能も充実するMacの写真編集ソフト「Photomator」などで仕上げる、という流れが仕事の効率アップにつながりました。


筆者は日常、本格的な動画・音楽関連にMacを使うことがありません。そのため、ワークロードが高い作業に対するMac miniの反応を調べ切れていませんが、新しい排熱構造を採用する本体は常時とても静かでクールでした。



初期セットアップの際、「移行アシスタント」を使ってM4 Proチップ搭載のMacBook ProからMac miniに仕事環境を移行しました。Thunderbolt 5コネクタを搭載するデバイス同士を直結すると、約250GBものデータが15分前後で“お引っ越し”が完了したことも感動的でした。


据え置きマシン、miniとiMacのどちらを選ぶ?



Mac miniは“本体のみ”のマシンです。別途ディスプレイや周辺機器を揃えるのが面倒という方には、液晶一体型のiMacをおすすめします。反対に、ディスプレイはゲーミング用、デザイナー・クリエイター用のものを選んで、使い慣れたキーボードやマウスで仕事環境を整えたいという方はMac miniを選ぶべきです。



HDMI端子も搭載しているので、Mac miniを仕事環境からリビングルームに移動させて、大画面テレビやプロジェクターに接続してシアター鑑賞にも使い倒しても良いと思います。これから数年の間にmacOSやApple Intelligenceのアップデートが繰り返されても、いま最先端のM4チップ搭載機を手に入れておけば安心です。



iMacは10コアCPU/GPU構成のM4チップと、Thunderbolt 4ポートを4基搭載する上位モデルをベースにカスタマイズした実機を試しました。本体色はブルーです。


今年のM4搭載iMacは、8コアCPU/GPU構成のM4チップを搭載する下位モデルにも同じ全7色のカラバリがあります。価格は3.6万円ほど安くなりますが、ギガビットEthernetも含めて外部接続ポートが少ないことを考えると、少し奮発して上位のM4搭載iMac(10コアCPU/GPUの)を長く使い倒す方がお得感が得られそうです。



M4搭載iMacも、メインメモリの最低容量が16GBからスタートします。アップルが昨年11月に発売したM3搭載機は8GBからでした。そして、同梱されるアップル純正のMagic Keyboard、Magic Mouseの充電用端子が、ようやくLightningからUSB-Cに変わりました。最新のiPhone、iPadやAirPodsと統一され、環境がすっきりできます。

絶対に付けたいNano-textureガラスのオプション



M4チップが10コア構成の上位モデルのiMacには、パネルへの映り込みを抑える「Nano-textureガラス」が選べるオプションとして追加されました。プラス3万円のオプションです。M4搭載iPad Proとは異なり、大容量ストレージのモデルを選択しないとNano-textureガラスが選べないといった“縛り”もありません。


筆者としては、M4チップを搭載してとてもパワフルになったこと以外に、新しいiMacについて最も注目すべきポイントがこのNano-textureガラス対応だと思います。太陽光や室内灯の光の反射や映り込みが抑制できるだけでなく、24インチの大画面に「向き合う自分の姿が常時写り込むストレス」から解放されることが大きなメリットです。Macによる仕事や創作作業の集中力アップに直結するからです。



同じく、新しいMacBook Proも、ベーシックモデルの14インチ・M4チップ搭載機からNano-textureガラスのオプションがプラス2.2万円で付けられます。筆者は、2023年に14インチのM3搭載MacBook Proを購入しました。新しいM4チップ搭載のベーシックモデルが価格を248,800円からに据え置いて、メインメモリの容量2倍、Thunderbolt端子はさらに1基を追加して発売することまでは「仕方ない」と諦めましたが、Nano-textureガラスのオプションには後ろ髪を引かれる思いがあります…。


新しいiMacとMacBook Proには、12MPセンターフレームカメラが搭載されたことも紹介します。超広角アングルのカメラなので、FaceTimeやMicrosoft Teamsのようなビデオに対応する通話アプリを使う際に、フレームの中央に美しく人物が収まるよう構図を動かしながら自動調整します。


さらに「デスクビュー」アプリではAI画像処理により、シングルレンズでユーザーの顔と手もとを同時に映しながらピクチャー・イン・ピクチャーのような表示にします。MacとiPhoneのタッグで実現する「連係カメラ」が、ふたつのM4搭載Macは本体だけでパワフルにこなせます。


2025年には、Apple Intelligenceが日本語に対応する予定です。そのころには、きっとImage PlaygroundなどAIによる画像生成関連の機能も出揃っているでしょう。まだApple M1以前のMacを使っている方にとって、いま最高の形で「新しいMacの買い時」が訪れていると思います。


著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら(山本敦)

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