上司に不満や文句があっても、部下の立場から本音をぶつけることは難しい。しかし、明らかに業務の支障になっているような上司については、なんとか対応したいところだが……。
メーカーで営業職として働く男性は、困った上司についてこう語る。
「一度でも一緒に営業に連れて行くと、後になって顧客から『次回は連れて来ないように』と連絡があります。なので、各営業担当は適当な理由を付けて行かせないようにしています」
なんと、ことごとくお客さんに嫌われてしまう上司のようだ。特に暴言を吐くというわけでは無いというが、一体何をするとそんな事態になってしまうのか、編集部では男性に話を聞いてみた。(文:篠原みつき)
「相手の話より自分が自分がという自分本位の話ばかり」
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驚くことに、この上司は主要取引先の多くから裏で出禁にされているそう。男性は事情をこう打ち明ける。
「初対面のお客様なのに、上から目線で話をするんですよね。相手の話より自分が自分がという自分本位の話ばかりで、隣で聞いていて冷や冷やします。まくし立てる言い方も問題で嫌われる要因でしょうね」
そのため、ほかの営業マンも「適当な理由をつけて連れて行かないようにしている」わけだが、この状況を本人はどう思っているのだろうか。
「本人にはお客さんに拒まれていることを言えませんので、社員は苦労しています。当然、なぜ拒否されているのかも知らないわけで、そもそもの意識の問題でしょう」
というのも、実はこの上司は外部から来た取締役で、斬新な改革をするため一部の社員からの評価は高いそうだ。自己評価もかなりのものなのだろう。
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「たとえばボーナスアップとか良かったこともありますが、思いつきなのか昼夜構わず部下に電話することがあるようで、それが原因で社員数人が辞めています。これってパワハラですよね。そんな上司をそのままにしている点はどうかと思っています。人が居ないから仕方ないのかもしれませんが」
客に嫌われる上に、部下を退職に追いやるのだから困りものだ。この状況に「本来なら社長が直接本人に伝えてくれると良いのですが……」と言葉を濁す男性。こうした状況でも、社長はなぜか無関心なのだという。
「あ〜この会社、経営者からこれだと駄目だな〜と、心が叫ぶ」
実は数か月前に、社長についても「この会社ダメだな」と感じた事があったという。社長が男性のいる営業エリアまで訪問し、一緒に得意先まわりをする予定だったときのことだ。諸事情により到着が2時間も遅れ、先方に訪問する時間も大幅に遅くなってしまった。
「私は得意先に謝罪の連絡をしながら、社長の到着をひたすら待ちました。しかし、やっと到着した社長からは謝罪やねぎらいの言葉一つありませんでした。遅れた理由は社長の責任ではないのですが、なんだかガッカリしましたね」
社長も遅延で疲れていたのかもしれないが、その後一緒にまわった得意先でも「遅れたことの軽いお詫び」程度だった。男性は失望が隠せない様子でこう語る。
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「しかも、客先では自社製品の売り込みをするかと思いきやゴルフの話ばかりで……。あ〜この会社、経営者がこれだと駄目だな〜と、心が叫ぶ瞬間でした」
社長も前述の上司にも、どこかにマウント癖や俺様気質があるのだろう。ついていく社員にとっては辛いことが多そうだ。
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