近年企業の人事戦略において、「離職者・退職者の集まり」を意味する「アルムナイ」の活用が人材不足解消に期待できるとして注目が集まっている。
【調査結果】アルムナイ同士のつながりに対しての意向(円グラフ)
人事・採用に関するコンサルティング事業を手掛けるハッカズーク(東京都文京区)は、転職経験があり、現在正社員として勤務しているビジネスパーソンを対象に「2024年最新版アルムナイと再入社に対する認識調査」を実施した。企業を退職した人同士でのつながりを持ちたいか聞いたところ、「非常にそう思う」または「そう思う」と回答した人は全体で42.9%と、半数に迫ったことが分かった。
年代別でみると、20代では60%を超え、20〜40代は約半数に近い割合でポジティブな回答が集まった。
●所属していた企業とのつながりを持ちたいか
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所属していた企業とのつながりを持ちたいかどうかについて、全体の39%が「非常にそう思う」もしくは「そう思う」と回答。20〜30代にかけて、ほぼ半分に近い人がポジティブな反応を示した。
●アルムナイが企業とのつながりに対して求めているものは
アルムナイが企業とのつながりに対して求めているものは何か。最も多かったのは「元所属企業からの求人や業務委託に関する情報の発信」(36.8%)だった。「現役社員とのカジュアルな交流」(27.0%)、「元所属企業の取り組みや今後の戦略の共有」(22.4%)が続いた。年代ごとに回答結果を見ると、20代は「求人や業務委託に関する情報発信」が最多で、年代が上がるにつれて「現役社員とのカジュアルな交流」を期待する割合が増加した。
●元企業への再入社は選択肢に入るか
企業を退職した従業員に対し、元企業への再入社は選択肢に入るか聞いたところ、「積極的に入社したい」もしくは「条件が合えば入社したい」と答えた割合は、20代が60%、30代が23%、40代が42%となった。
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一方で、再入社に前向きな人であっても、同時に抵抗感も抱いているようだ。再入社に対して「抵抗感がある」「とても抵抗感がある」と回答した割合は、「積極的に入社したい」と答えた人で76%、「条件が合えば入社したい」と答えた人で58%だった。特に再入社後の「社員からの見られ方」に抵抗感があると答える割合が多かった。
ハッカズークは調査結果を受けて「企業は、アルムナイが安心して戻ってこれるように受け入れ体制を整えておくことが重要」と指摘した。
調査は、転職経験がある正社員で、従業員100人以上の企業に所属していた人を対象にインターネットで行った。調査期間は2024年2〜3月、7〜8月、有効回答数は286人。
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