【動画】巨匠・アルモドバルが人生の終わりと生きる喜びを描く! 『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』予告編
本作は、アカデミー賞(R)外国語映画賞の『オール・アバウト・マイ・マザー』、アカデミー賞(R)脚本賞の『トーク・トゥ・ハー』をはじめ映画界に偉大な足跡を残し続ける名匠ペドロ・アルモドバル監督の最新作。初の全編英語作品で、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く。第81回ベネチア国際映画祭では、最高賞である金獅子賞の栄冠に輝き、およそ20分間の拍手喝采を浴びた。
重い病に侵されたマーサ(スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。
悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいないー」と告げるマーサとの短い数日間が始まるのだった。
出演は、ウェス・アンダーソン監督作品やジム・ジャームッシュ監督作品の常連として知られ、『フィクサー』でアカデミー助演女優賞(R)に輝いたティルダ・スウィントンと、『アリスのままで』でのアカデミー主演女優賞(R)に加え、世界3大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーア。ふたりのオスカー女優が親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現する。
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あわせて解禁された予告編では、死を覚悟したマーサ(ティルダ)と、彼女の最期の願いを叶えようとするイングリッド(ジュリアン)の特別な関係性が垣間見える。「雪は世界中にかすかに降り続ける。すべての生者と死者の上に」というマーサの言葉が表すように、ニューヨークの美しい街並みに幻想的に降り積もる雪が印象的な冒頭からはじまり、マーサとイングリッドが共に過ごす数日間が描き出される。安楽死を望むマーサは「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にいない」と口にし、イングリッドは毎朝ドアを見つめる。果たして彼女たちが行きつく結末とは―。
また、『バートン・フィンク』『THE BATMAN−ザ・バットマン』のジョン・タトゥーロがマーサとイングリッドの過去に関わるキーパーソンとして登場。ふたりの女性の物語が色彩豊かに描かれ、全編に渡り目にも楽しく、詩的なアルモドバルの世界が広がっていることを予感させる。
人生の終焉を迎えようとしているマーサは戦場ジャーナリストとして長い間活躍しており、その性格も情熱的で荒々しく自分に正直。対して小説家として成功したイングリッドは、物静かで思いやりがあり困っている人を見捨てられない性格を持つ。陰と陽のように正反対の女性たちを演じたティルダとジュリアンの競演が本作の大きな見どころだ。まもなくアワードシーズンに突入するアメリカでは、連日のようにノミネート予想がでており、ティルダとジュリアンはどちらも主演女優賞の有力候補として注目されている。
10月28日〜11月6日まで開催された第37回東京国際映画祭ワールド・フォーカス(ラテンビート)部門でジャパンプレミアを迎えた本作。全3回の上映回がすべて満席となり、「アルモドバル史上最高傑作」「2大女優の演技が見事」などと高評価の口コミがSNSに多く投稿された。重厚なテーマを描きながらも軽やかな語り口で魅せる、人生と友情と死をめぐる優美な人生ドラマ。年々増していくアルモドバル監督の手腕と、2大女優が生み出す演技のハーモニーに期待が高まる。
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映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』は、2025年1月31日公開。