アウグスト・ファーフスは、チームKRCへの加入で多少の苦戦を強いられるものの、マカオでのFIA GTワールドカップでキャリア2度目の勝利を収められる可能性に自信を持っている。
2018年にここで優勝したこのブラジル人は、今年のレースではチームKRCに加入し、難関として知られるマカオ・ギア・サーキットで開催される一戦で、89号車BMW M4 GT3をドライブする。
■「史上最強のフィールド」での優勝に自信
今シーズン、KRCは主にGTワールドチャレンジ・アジアに参戦しており、ルアン・クンファンとマキシム・オーステンがシルバー・アマチュア・カップで4回のクラス表彰台を獲得した。
マカオでのワールドカップへの参加は、BMWの4台体制で挑む一環だ。ドリース・ファントールとシェルドン・ファン・デル・リンデがチームWRTからエントリーし、前回優勝者のラファエレ・マルチェッロのはTOROレーシング・パワード・バイ・MCGから参戦する。
WRTとMCGはどちらもマカオでのレース経験があり、前者は2016年にローレンス・ファントールとともに優勝しているが、KRCがGTワールドカップに出場するのは今週末が初めてとなる。
KRCはギアサーキットでの経験があり、昨年はBMWとともにグレーター・ベイエリアGTカップに出場していた。
昨年ROWEレーシングから出場し3位に入ったファーフスは、マカオに到着して初めてKRCと接触することをほのめかした。
「彼らは多大な努力を払っていると言わざるを得ない」とファーフスはイベントを前にSportscar365に語った。
「僕は継続的に話し合いをしている。ミュンヘンから多くのサポートを受けるだろう。もちろん、水曜日に初めてレーシングチームに会うのは、いいことではない」
「テストをすればよかっただろうね。テストはやりたかったけど、日程が合わなかったんだ。僕はバーレーンにいたり、アトランタにいたので、文字どおりテストを詰め込む時間がそこにはなかった」
チームとドライバーがこのイベントに「明確な計画」を持っているにもかかわらず、地元の会場でチームに慣れるためのテストがまったくできないことが「パフォーマンスに支障をきたす」可能性があることをファーフスは認めている。
「珠海かどこか(その地域のサーキット)に行くこともできただろう」とファーフス。
「マシンに座って1周走って、シートの位置を確認できたらよかったのに。人々と会って、数周走って、クルマの音が期待どおりかどうか確認できればよかったんだけどね」
「彼らは充分に準備している。でも、マカオだからね。フリープラクティスが2回ある。どれくらいだろう、フリープラクティス1回あたり10〜12周できるかな? それから予選だ」
「だから、通常のイベントのように運転してから、止まって考えることはできない。 FP1のグリーンフラッグまでに、マシンはトップレベルにいる必要があるんだ」
「もちろん、これは僕らにとってマイナスになるかもしれないが、僕らが注いでいる準備と努力のレベル、そしてチームをサポートするBMWは、他のBMWと同等の競争力を持つと思う」
ファーフスは、自身も「断然」史上最強のフィールドであると評した23台のグリッドの一員として、優勝のチャンスに自信を持っている。
4台のBMWに加え、エントリーにはエドアルド・モルタラ、マロ・エンゲル、ローレンス・ファントールといった優勝経験者も含まれており、さらにアントニオ・フォコ、ダニエル・セラ、イーフェイ・イェといったフェラーリからの参戦も増している。
「参加するために行くのではない」とファーフスは語る。
「BMWのコミットメント、つまり4台のマシンでそこに現れ、BMWがKRCに対してどれほど支援的であるかを見ると、グリッドを埋めるために彼らが僕をそこに送っているわけじゃないことは、明らかだ」
「(すでに)3台のワークスカーがあるなら、そうする必要はなかった。グリッドを埋めるために僕をそこに送る必要もなかったはずだ」
「だから、僕がそこに行くのは、本当に勝てるチャンスがあるからだ」