石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問が2日午後、衆院本会議で始まった。首相は政治改革に関し「企業・団体献金自体が不適切だとは考えていない」と述べ、立憲民主党などが求める禁止に否定的な考えを示した。同党の野田佳彦代表への答弁。
10月の衆院選で与党過半数割れとなってから初めての国会論戦。首相は、使途公開が不要な政策活動費を廃止する法案を国会に提出すると表明した。一方で外交上の秘密などに関わる支出については「公開の方法に工夫が必要だ」と述べた。
日米関係について、首相はトランプ次期米大統領との会談は未定とした上で、「率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高め合うことで、自由で開かれたインド太平洋の実現に資することができる」と意欲を示した。
中国の環太平洋連携協定(TPP)加盟申請に関し、「中国が協定の(求める)レベルを満たす意図と能力があるか、適切に見極める必要がある」と指摘した。北朝鮮による拉致問題では「全被害者の一日も早い帰国を実現する」と従来方針を説明。野田氏は、東京と平壌での連絡事務所設置についても尋ねたが、首相は答えなかった。
野田氏はまた、来年3月の核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加するよう要求した。首相は、同条約に核兵器国が参加していない状況を問題視。核兵器国も参加する核拡散防止条約(NPT)の体制強化を訴えた。
サイバー攻撃の被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向け、首相は「可能な限り早期に法案を示せるよう検討をさらに加速させる」と述べた。自民党の福田達夫幹事長代行への答弁。