ピッティ・イマージネ(PITTI IMMAGINE)が、日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)とパートナーシップを締結したことを発表した。今後、日本のメディアやファッションシステムにおけるピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo)のプロモーション活動を強化し、メンズウェアとライフスタイルにフォーカスしたプロジェクトを展開する予定だという。 12月4日にイタリア大使館で記者発表が行われ、ピッティ・イマージネ Chief Communication Officer兼Deputy General Managerのラポ・チャンキ(Lapo Cianchi)氏や、同社スペシャルイベントコーディネーターのフランチェスカ・タッコーニ(Francesca Tacconi)氏、JFWO事務局長の古茂田博氏、2025年1月に開催される「第107回ピッティ・イマージネ・ウオモ」のゲストデザイナーである「セッチュウ(SETCHU)」の桑田悟史氏らが登壇した。
ピッティ・イマージネは、メイド・イン・イタリーの生産文化や革新的なライフスタイル企業の発展と促進を目指した世界的な見本市やイベントを開催する、50年以上の歴史をもつ国際的企業。イタリア・フィレンツェで年2回開催されるメンズウェアの見本市 ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo)を運営している。
JFWOは、日本の繊維・ファッション産業の国際競争力のさらなる強化・発展を目的に2005年に設立。日本の繊維・ファッション製品やサービスを海外に発信するとともに、「世界で唯一の繊維・ファッション拠点」としての東京の地位を確立するべく、「東京ファッションウィーク(Tokyo Fashion Week)」や「TOKYO FASHION AWARD」、「FASHION PRIZE OF TOKYO」などの開催を通したデザイナービジネスの支援をはじめ、「Premium Textile Japan」「JFW Japan Creation」の開催や、「Milano Unica」の日本ブース運営などを通した素材・ものづくり事業の支援など、多岐にわたる活動を行っている。
2012年以降、ピッティ・イマージネ・ウオモを中心に数々のコラボレーションを行ってきたという両社は、今回パートナーシップを結んだ理由として、「日本企業・ブランドの新規参入促進」「日本のファッション産業ならではの視点の発信や共有」「日本の若手デザイナーの国際的活躍の促進」の3点があると説明。今後は日本の製造、小売、デザイナーへの支援を質的・量的に強化していくとともに、イタリアを含め世界的な影響力を持つ日本のファッション産業の新たな才能や独自の視点を発信・共有することで、日本・イタリア双方にとってメリットとなるような取り組みを行っていく。
ピッティ・イマージネのラポ・チャンキ氏は「ピッティ・イマージネとJFWOにはこれまでも数々のコラボレーションを成功させてきた長い歴史があるため、今回パートナーシップを結んだことは自然な流れだと思っている。日本のファッション業界やシステムは世界的に大きな影響力を持っており、日本ならではのエッジィな視点がある。今後はそういった情報をより積極的に吸収しながら、日本の有望なデザイナーやブランドが世界に出ていく協力ができたら」と話した。
古茂田博氏は、「イタリアと日本には、衣服だけではなく、伝統的な素材開発技術を最新のテクノロジーを用いて進化させ、世界中の人々の役に立つテキスタイルを開発し続けているという強みや共通項がある。そういった意味でも今回のパートナーシップは自然な流れであり、今後はパートナーシップによる関係強化を通じて、イタリアと日本双方のファッション産業の発展に協力したいと考えている」とコメントした。
パートナーシップ締結後初となる次回の「第107回ピッティ・イマージネ・ウオモ」では、「FIRE(炎)」をテーマに展示会を実施し、世界中から786ブランドが参加。日本からは、「セッチュウ(SETCHU)」を手掛ける桑田悟史がゲストデザイナーとしてブランド初となるショー形式でのコレクション発表を予定しているほか、「ハイドサイン(HIDESIGN)」によるプレゼンテーションや、経済産業省とコラボし6つのレザーブランドが参加する「JAPAN LEATHER SHOWROOM」、今回で5回目となる「Jクオリティー(J∞QUALITY)」などが参加する。
記者発表に登壇したセッチュウの桑田は、「ブランドを立ち上げて約4年だが、今回このような機会をいただけて大変光栄に思っている。これまで錚々たるデザイナーの方々がやられてきた中で今回僕を選んでいただいたので、恥にならないように精一杯頑張りたい。どのようなショーになるかまだ詳しくは話せないが、ぜひ楽しみにしてほしい」と、初のショー開催への意気込みを語った。