この1年の世相を表す「今年の漢字」。日本では「金」でしたが、中国ではどんな漢字で表現される1年だったのか?北京の人たちに聞いてみました。
記者
「漢字の国・中国では、今年の漢字にどんな字を選ぶのでしょうか?聞いてみたいと思います」
「福」と書いた人
「今年一番嬉しかったのは結婚したことです。もうすぐ新年を迎えるので、みんなが幸せでありますように願っています」
旅行で北京を訪れているという、こちらの女性も…
「福」と書いた人
「いま、やっと自由に旅行で北京に来ることができました」
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ゼロコロナ政策で厳しい隔離措置が続いた中国。自由に旅行はできるようになったものの、経済回復には至っていません。雇用環境も大きく悪化。都市部の若者の失業率は、17%を超えています。そのため…
「迫」と書いた人
「中国経済は雇用の問題に迫られていて、一人ひとりの生活環境を急いで改善しなければなりません。だからこそ、この『迫』という字が思い浮かびました」
「喜」と書いた人
「私は無職の状態で思い切って北京に来て、仕事を見つけることができたんです。それが嬉しかった」
今年、台湾では頼清徳政権が誕生。中国は台湾周辺で軍事演習を行うなど圧力を強めています。そのせいか、先週、“中国と台湾の関係を表す今年の漢字”として投票で選ばれたのは「争」。中国と台湾のメディアで構成される主催者は「現状に対する双方の人々の最も直感的な感情を凝縮したものだ」と説明しています。そのほか、ウクライナ侵攻や中東情勢など、世界で続く戦争を憂う声も多く聞こえてきました。
「和」と書いた人
「世界全体が平和で安定しているべきだと思います。平和や寛容、開放的であることが世界の永遠のテーマだと考えています」
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「和」と書いた人
「大きな国も一つの大家族のようなもので、すべてにおいて『和』が最も重要だと思います。だから全世界の家庭が平和で仲良く暮らせるように願っています」
平和を実現するためには“国力を向上させる”ことが重要だと訴える女性も。
「国」と書いた人
「『国』です。一番大事なのは、国が強くなることだと思います。国がダメになってしまったら、私たち庶民には何も残りません。結局、平和が一番大切なんです」
78歳の女性が書いたのは、「熟」という漢字です。“年を重ねた”ことで、平凡な日々をより良く生きることの重要性をかみしめていると語りました。
「熟」を書いた人
「『熟』は『成熟』を表しています。国内外の情勢も、現在の不景気な状況も理解しています。ただ、自分にはそれを変える力はありません。それでも自分の生活を大切に過ごすことが重要なんだと気づきました」
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