大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)が12月15日に最終回を迎える。千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた主人公・紫式部/まひろを演じ、10月下旬にクランクアップした吉高由里子が、およそ1年半にわたる撮影で向き合った“書道”について語った。
【濃厚ラブシーン】吉高由里子に柄本佑が覆いかぶさって… 主人公・紫式部/まひろは、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた女性。「光源氏」の恋愛ストーリーの原動力は秘めた情熱と想像力、そしてひとりの男性への想い。その男性の名は藤原道長。変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の愛の物語だ。脚本は大石静氏が務める。
クランクアップは、道長役・柄本佑との共演シーンだった。カットが掛かると、スタジオに詰めかけた大勢のスタッフから祝福され、第1回から最終回までをダイジェストで振り返る特別VTRが上映されたという。
吉高は「一年半ってこんなにあっという間なんだなと。さみしいも、うれしいも、安堵感もすごいあったけど、そのときは泣かないようにしてたんです。でもチーフ演出の中島由貴監督が花束を持ってきてくれたときに号泣してて、それを見てもらい泣きをしちゃいましたね。ちゃんと凛として終わりたかったんですけど、ダメでしたね(笑)」と照れながら回想した。
作品の見どころの一つとなった書道のシーンでは、吉高が丁寧に筆を執る姿が何度も注目を集めた。すでに完成している巻物などは、書道指導・根本知氏によるものが多いが、実際の書道シーンは、キャスト本人が吹き替えなしで実際に書いている。
吉高は左利きのため、クランクイン前から右手で書く練習に励み、多くの苦労を重ねた。「すごい孤独だったんですよ、書の練習って。感情の話でもないから誰かと話し合えることでもないですし、(キャストの)みんなが書をやってるわけではないので共感も得られないですし。ちょっと上手くいった喜びも自分にしか分からない。少しね、さみしかったかな」と撮影を終えた今、本音をこぼす。
「でもその孤独感があってのこの役だとも思っているので、自分が今できる最大限を出したいって常に思ってました。上達していく瞬間を見つけたときは、いいお芝居ができたときよりもうれしかったりしましたね」とほほ笑んだ。
そんな書に向き合う日々が終わり「宿題から解放されて、ホッとしている感じもある」と語りつつ「なんだろう…(目標に)向かうところがなくなった感じでさみしい気持ちもあるんですよね」と胸の内を明かした吉高。2024年を色鮮やかに駆けつけた『光る君へ』もいよいよクライマックス。「最後まで走り抜けられたらいいなと思ってます」と最終回に向けて祈るように話していた。