松本人志、M-1審査員にいない場合の影響は?2015年の不在時チャンピオンはお笑いファンに歓迎されず

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2024年12月14日 09:20  女子SPA!

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(画像:松本人志 Xより)
今年も『M-1グランプリ』の季節がやってきました。今年は出場者は1万組を超える過去最多。予選が進むごとにSNSでも大きな注目を集めてきました。

そして12月5日には、ついに決勝進出者も決定!12月22日の決勝に向けて、ますますの盛り上がりをみせています。

◆松本人志の審査員復帰の可能性、制作局とスポンサーは?

しかしながら、今年は例年と大きく違っている点が一つ。それは、決勝の審査員に松本人志が不在の可能性が高いこと。

15日に放送される事前番組『M-1グランプリ20回記念俺たちだって面白い!1万組のエントリー物語』(朝日放送テレビ)の中で決勝戦の審査員が発表されることが決まっています。

制作局である朝日放送テレビの今村俊昭社長は、7月26日に社長会見で、松本が審査員をつとめない可能性を質問され、「現時点で松本さんがいないという想定もしていない。全くの白紙」としたうえで、「空気、全体を考えて最適な審査員を考える。皆さんが想像をされている以上に(M-1決勝の)近くで決まり、いつもバタついている」と答えていました。

その後、11月8日に公表された文藝春秋との訴訟取り下げを受け、ネットでは“審査員として復帰するのでは?”という説も囁かれており、現時点での『M-1グランプリ2024』での松本人志の復帰について、スポンサー各社に問い合わせてみました。

日清食品グループ、株式会社Cygamesからは期日までに回答はナシ。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンからは、「弊社はいただきました番組のスポンサーではございますが、放送の内容や出演者などは放送局が決定いたしますので、関与できない内容でございますので、個別の質問については、お答えができかねます」との返答。

サントリーホールディングス株式会社からは、「個別の内容について回答はしないため、ご容赦いただきたい」と返答でした。

というわけで、やはり不明のままです。

M-1グランプリの審査において、笑いのカリスマ・松本人志の存在がひじょうに重要度が高いことは、これまでM-1グランプリを見続けてきた人間であれば、誰もが感じていることでしょう。現に第一回大会からの熱心なM-1視聴者である、筆者も痛感しております。(敗者復活戦をパナソニックセンターや大井競馬場で見ることが当然だったタイプのオタク)

とはいえ、20回目という大きな節目を迎える、今年のM-1グランプリ。本当に松本人志がいないことが大きく影響するのでしょうか?イチM-1ファンである私なりに考察をしてみました。

◆2015年松本不在で優勝したトレンディエンジェルの存在

松本人志がいないM-1グランプリは、過去に一度だけ開催されました。2015年、トレンディエンジェルが優勝した時です。敗者復活戦を勝ち上がって、その勢いのままに優勝した彼らですが、残念ながら一部のM-1ファンからはあまり好意的に受け入れられませんでした。これはおそらく「松本人志が審査をしたわけでないチャンピオン」であることに原因の一端があるのではないかと思います。

しかし、一方で2015年は審査員の数が過去の大会よりも多かったことも、考慮すべきでしょう。近年では事前番組や関連ニュースの中で、しばしば「過去最高得点」の話題が挙がりますが、そもそも点数配分が違うトレンディエンジェルの存在は、そういった場では語られづらいのです。

確かに2015年当時、松本不在の中での優勝を疑問視する空気は多少あったと思います。しかし、後年になってみると、彼らがチャンピオンとして歓迎されていないように感じるのは、単純に統計データ上にあがりづらいからではないかとも感じます。2015年も例年通りの審査員数であれば、トレンディエンジェルにはまた違う評価があったかもしれません。

◆キングオブコントは松本不在でも優勝に異論なし

審査員に松本人志が不在の賞レースといえば、今年の『キングオブコント』(TBSテレビ)も同様です。5名の審査員でジャッジする方式に変わった2015年以降、2023年まで審査員席に必ず松本人志の姿がありました。

2024年のキングオブコントでは、新たに2014年のチャンピオンであるシソンヌのじろうが審査員に加わり、松本人志に近い立ち位置に2009年チャンピオンである東京03の飯塚悟志がスライドしていました。

2024年チャンピオンのラブレターズに対し、今のところ「松本人志がいなかったから」という理由で、優勝に異論を唱える風潮はありません。だとすれば、M-1グランプリでも同様の状況になる可能性は極めて高いと思われます。

◆M-1開始から20年で視聴者の審査の目が育った

出場者のメインが松本人志信者世代であった時代は、すでに終焉を迎えつつあります。「誰に憧れて芸人になった?」という質問に、松本人志の名前を真っ先に挙げる出場者は、もうだいぶ少なくなったのではないでしょうか。

同時に、視聴者にもダウンタウン全盛期を知らない世代が増えてきています。彼が笑いのカリスマであることは理解しているものの、リアルタイムに笑わせてくれた芸人という感覚は薄まっているのではないでしょうか。

さらに言えば、今は一億総審査員時代とも揶揄(やゆ)されるほど、視聴者一人ひとりが審査の目を持っています。審査員ですら視聴者側に審査されるようなムーブすらあるほど。

M-1グランプリ開始当初は、まだ視聴者が面白い“偉い人”に審査を任せてる側面が強かったように思います。でも今の視聴者たちは、すでに当時とは違う賞レースの楽しみ方を身に着けているのです。

証左として、2022年よりスタートした『THE SECOND』(フジテレビ)の全客席審査は受け入れられていますし、10月にAmazon Prime Videoで配信された『最強新コンビ決定戦 The ゴールデンコンビ』も同様の審査方法で不満の声は挙がっていません。

ここまでくると、M-1グランプリの審査員にも絶対に松本人志がいる必要性はないという結論に達してしまいます。

◆賞レースの功労者として見届け人でもいいのでは?

しかし、私は「松本人志なんていらんかったんや!」なんてことを言いたいわけではないのです。第一回大会だったM-1グランプリ2001で、一般審査員の存在が酷評された頃から考えれば、お笑い賞レースを見る視聴者の目は大きく変わりました。

これはきっと、松本人志が審査員としてM-1グランプリに関わり続けたからこそ。賞レースを成熟させた功労者として、必要不可欠な存在だったことは疑いようもありません。

今年のM-1グランプリが、松本人志の復帰の場となるか否かはまだわかりません。しかし、もしも復帰するにしても、審査員ではなく『THE SECOND』同様の見届け人の立ち位置くらいでもいいのでは?と個人的には思います。

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama

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