『M-1』節目の20回大会で審査員改革 新たな布陣を読み解く【歴代審査員&審査回数一覧】

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2024年12月15日 15:10  ORICON NEWS

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『M-1グランプリ2024』の審査員9人(C)M-1グランプリ事務局
 第20回目となる漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2024』(ABCテレビ・テレビ朝日系 22日 後6:30)の審査員の顔ぶれが、15日放送の事前番組「M-1グランプリ20回記念俺たちだって面白い!1万組のエントリー物語」内で発表された。若林正恭(オードリー)、礼二(中川家)、山内健司(かまいたち)、塙宣之(ナイツ)、博多大吉(博多華丸・大吉)、哲夫(笑い飯)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、海原ともこ(海原やすよ・ともこ)、石田明(NON STYLE)という顔ぶれで9人体制に。記念すべき20回目という節目のタイミングで、大胆な改革を行った。

【動画】『M-1』決勝進出9組が決定!ヤーレンズは2連覇阻止に強気「にっくき令和ロマンを倒す」

 昨年と比較すると、2001年のスタート時から基本的な形となっていた「7人審査員制」から、歴代王者が審査した2015年以来となる「9人審査員制」を採用。松本人志(ダウンタウン)、山田邦子、富澤たけし(サンドウィッチマン)が今年は担当せず、若林、山内、柴田の初審査員に加えて、石田、哲夫が2015年以来の参戦を果たす。過去19回の歴史で17回にわたって審査を行ってきた、『M-1』審査員の顔とも言える松本の去就に注目が集まった今回、『M-1』と関係が深いメンバーが、審査員に抜てきされた。

 若林は、NON STYLEが優勝した2008年の『M-1』で敗者復活から勝ち上がり、ズレ漫才で大きなインパクトを与え、準優勝となった。ファーストラウンドで、松本はNON STYLEにつけた93点よりも2点高い95点をつける高評価で、オードリーはこれ以降、スターダムへと駆け上がっていき、今年2月にはライブビューイングと配信を含めると合計15万6707人が熱狂したイベント「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」を開催するなど、注目を集め続けている。

 かまいたちは、2012年に『第33回ABCお笑いグランプリ』と『第42回NHK上方漫才コンテスト』で優勝。17年には『キングオブコント』で優勝を果たし、山内は2021年から『キングオブコント』の審査員も務めている。ミルクボーイが、衝撃の「コーンフレーク」「最中」漫才で優勝した2019年では準優勝を果たし、最終決戦では、ほかの審査員がミルクボーイに投票する中、松本だけがかまいたちに投票していた。

 アンタッチャブルは、2003年の『M-1』で敗者復活から勝ち上がり、3位となった勢いのままに翌04年の『M-1』で見事に優勝。同じく『M-1』をきっかけに人気を博していたが、柴田が2010年から1年間休養に入ってから、コンビとしての共演が実現しない状態が続いていた。そんな中。2019年放送のフジテレビ系バラエティー番組『全力!脱力タイムズ』で、山崎弘也がサプライズ出演を果たし、センターマイクの前に立って、即興で“漫才”を披露。コンビとしての大きなタイミングに「漫才」があったと言える。

 石田は『M-1』王者としての実績もさることながら、漫才に対する分析も鋭く「石田教授」との愛称もあるほど。岡村隆史に請われて『M-1』直後に、その年の結果をラジオで「答え合わせ」するという企画も行っており、それがもとになり、今年には漫才分析本『答え合わせ』(マガジンハウス新書)も刊行している。哲夫は、笑い飯として2002年から10年まで9年連続で『M-1』決勝進出を果たした“ミスターM-1”。毎年のように優勝候補として挙げられながら優勝できず、09年には「鳥人」ネタで島田紳助さんが100点をつけたこともあった中、10年に悲願の優勝を果たした。

 節目の大会とあって、世代としての若返り、M-1が芸人人生のターニングポイントになった点などを考慮して、非常にバランスの取れたラインナップとなった。回数順の表を見てみると、今回の担当で初代王者である中川家・礼二が松本に次ぐ10回目で単独2位となり、塙が7回目で大竹まこと・富澤と並び、大吉も5回目で島田洋七・立川志らくと並ぶなどの変化も見られた。昨年は担当していなかった5人のうち、若林、石田、哲夫が2008年の『M-1』に出場しており、若林は準優勝、石田は優勝、哲夫は翌年に優勝という結果を残していることからも、08年のハイレベルな戦いがうかがい知れる。

 史上初の連覇を目指す令和ロマン、昨年『M-1』準優勝のヤーレンズを筆頭に、多彩な顔ぶれに。真空ジェシカは4年連続、令和ロマンとトム・ブラウンとヤーレンズは2度目、初出場はエバース、ダイタク、ママタルト、バッテリィズ、ジョックロックの5組となる。

 第20回目となる『M-1グランプリ2024』は、過去最多1万330組がエントリー。“日本一”の称号と賞金1000万円を手にするのは、どの漫才師となるか。決勝戦MCを、今年もお笑い芸人・今田耕司と俳優・上戸彩が務める。

■『M-1グランプリ』歴代審査員一覧(優勝コンビ)
2001年:島田紳助、松本人志、鴻上尚史、ラサール石井、春風亭小朝、青島幸男、西川きよし【中川家】
2002年:島田紳助、松本人志、大竹まこと、ラサール石井、島田洋七、中田カウス、立川談志【ますだおかだ】
2003年:島田紳助、松本人志、南原清隆、島田洋七、ラサール石井、大竹まこと、中田カウス【フットボールアワー】
2004年:西川きよし、南原清隆、大竹まこと、島田洋七、春風亭小朝、ラサール石井、中田カウス【アンタッチャブル】
2005年:島田紳助、松本人志、渡辺正行、大竹まこと、島田洋七、ラサール石井、中田カウス【ブラックマヨネーズ】
2006年:島田紳助、松本人志、南原清隆、渡辺正行、島田洋七、大竹まこと、中田カウス【チュートリアル】
2007年:島田紳助、松本人志、上沼恵美子、ラサール石井、オール巨人、大竹まこと、中田カウス【サンドウィッチマン】
2008年:島田紳助、松本人志、上沼恵美子、渡辺正行、オール巨人、大竹まこと、中田カウス【NON STYLE】
2009年:島田紳助、松本人志、上沼恵美子、東国原英夫、オール巨人、渡辺正行、中田カウス【パンクブーブー】
2010年:島田紳助、松本人志、南原清隆、大竹一樹、渡辺正行、宮迫博之、中田カウス【笑い飯】
2015年:中川家・礼二、増田英彦、岩尾望、吉田敬、徳井義実、富澤たけし、石田明、佐藤哲夫、笑い飯・哲夫【トレンディエンジェル】
2016年:オール巨人、松本人志、上沼恵美子、中川家・礼二、博多大吉【銀シャリ】
2017年:松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、博多大吉、春風亭小朝、渡辺正行【とろサーモン】
2018年:松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、富澤たけし、立川志らく、塙宣之(ナイツ)【霜降り明星】
2019年:松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、富澤たけし、立川志らく、塙宣之(ナイツ)【ミルクボーイ】
2020年:松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、富澤たけし、立川志らく、塙宣之(ナイツ)【マヂカルラブリー】
2021年:松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、富澤たけし、立川志らく、塙宣之(ナイツ)【錦鯉】
2022年:松本人志、博多大吉、山田邦子、中川家・礼二、富澤たけし、立川志らく、塙宣之(ナイツ)【ウエストランド】
2023年:松本人志、博多大吉、山田邦子、中川家・礼二、富澤たけし、塙宣之(ナイツ)、海原ともこ【令和ロマン】

■『M-1』審査員回数順
【17回】松本人志(2001年〜03年、05年〜10年、16年〜23年)
【10回】中川家・礼二(2015年〜24年)
【9回】島田紳助(2001年〜03年、05年〜10年)、中田カウス(2002年〜10年)、オール巨人(2007年〜09年、16年〜21年)、上沼恵美子(2007年〜09年、16年〜21年)
【7回】大竹まこと(2002年〜08年)、富澤たけし(2015年、18年〜23年)、塙宣之(2018年〜24年)
【6回】ラサール石井(2001年〜05年、07年)、渡辺正行(2005年〜06年、08年〜10年、17年)
【5回】島田洋七(2002年〜06年)、立川志らく(2018年〜22年)、博多大吉(2016年〜17年、22年〜24年)
【4回】南原清隆(2003年〜04年、06年、10年)
【3回】春風亭小朝(2001年、04年、17年)
【2回】西川きよし(2001年、04年)、山田邦子(2022年〜23年)、石田明(2015年、24年)、笑い飯・哲夫(2015年、24年)、海原ともこ(2023年〜24年)
【1回】鴻上尚史(2001年)、青島幸男(2001年)、立川談志(2002年)、東国原英夫(2009年)、大竹一樹(2010年)、宮迫博之(2010年)、増田英彦(2015年)、岩尾望(2015年)、吉田敬(2015年)、徳井義実(2015年)、佐藤哲夫(2015年)、若林正恭(2024年)、山内健司(2024年)、柴田英嗣(2024年)

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